「はかる」 (7月29日(土)放送)
番組の第18回のテーマは「はかる」。
洋の東西を問わず、人はモノをはかることで、何かを手に入れてきた。
領土、人、金・・・そして知識さえも。
モノを測ること。単位を決めること。それは、ひとつの世界観をデザインする行為であり、その世界のスタイルを決めることである。
1インチと一寸はほぼ同じ長さであることには理由がある。それは共に親指の長さを基準としたからである。
人々は、体のサイズから暮らしをデザインした。あのピラミッドは、肘から指の先までをイチとするキュービットという単位で作られているのだ。
我々が日常的に利用するタクシーメーターにも。宇宙を見る天文台にも。そしてナノテクの世界にも。
「はかる」という行為は、様々な価値を数値化し、人間の前に表出させる。
人間が目にするものを如何に見るか、それが20世紀のスタイルだった。
そして21世紀は目に見えないものを、捉えようとする時代になった。
そんな「はかる」ということを見つめてみたい。