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2011年7月9日放送  「装幀というアート」





思わず手に取ってみたくなる本がある。
まるで繭のようなこの本は、外箱に精密工場の換気フィルターの素材を使用。
その触感は、柔らかく、そして儚い。
繭をそっと開く。中から、生を受けた言葉が産声をあげる。
透かしてみれば、それは今にも孵化しようとしている蛹(サナギ)のよう。
作家が生み出した命の言葉を読む人に手渡す・・・。
それが本をデザインするということ。
「ブックデザイン」・・・美しい本とは何か?

時代とともに、カタチさえも変えていく本。
デザインの無限の可能性こそが、実体としての本の存在を認めてくれる。
書店を舞台に、客の手のひらで繰り広げられる駆け引き。
それを楽しめる大人にとって、本屋は時間を忘れさせてくれるレジャーランドになる。