歴史ミステリー 日本の城見聞録

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国宝彦根城 守り抜いた武士道 井伊家の美しき城

国宝・彦根城。琵琶湖のほとりの山の頂にそびえる天守は、優雅にたたずんでいるように見える。現存12天守で最大の数を誇る破風、黒と白のコントラスト、それを彩る黄金の輝き。しかし、その実態は“守り堅固な戦いのためのとりで”だった。
城は「城主の姿を映す」ともいわれるが、彦根城ほど城主との関係が密接な城はない。築城から明治維新まで、代々城主を務めてきた井伊家も、家風は優雅ではありながら、華美を嫌う質実剛健。静かな美しさをたたえる天守が、その一方でどっしりと構えた古武士のようにも見えるのもそのため。
井伊家と井伊家の城、彦根城。藩祖は「徳川四天王」のひとりに数えられた猛将・井伊直政。そして、日本開国の大きな決断を下した、大老・井伊直弼。270年、17代の長きにわたり、ずっと井伊家の城であり続けた彦根城。彦根城がたどった数奇な運命と波乱に満ちた歴代城主たちの物語を、城案内人・大谷亮介がひもとく。