歴史ミステリー 日本の城見聞録

歴史ミステリー 日本の城見聞録

  • トップページ
  • バックナンバー

バックナンバー

国宝松江城 無敵武将の堅固な要塞

2015年7月、悲願であった国宝指定が実現した松江城。天守の高さは姫路城、松本城に次ぐ国内3番目。黒が基調の外観は力強く、戦場に建つ古武士のような風格をたたえています。そんな山陰最大の砦と呼ばれる城を築いた武将は堀尾吉晴。

信長、秀吉、家康という3人の天下人に重用され信頼された吉晴は、戦上手として数々の戦場で武功を挙げ、さらに豊臣政権では中老職も務めました。

そんな吉晴の松江城は、実戦で修羅場を潜り抜けて来た武将にしか作れない城。幾つもの城門と櫓が行く手を防ぎ、攻め手を巧みに誘い込んで、一網打尽する罠も数多く仕掛けられています。まさに、どんな武将にも決して落とす事ができない難攻不落の城でした。

しかし時代の波が松江城を飲み込みます。吉晴の死後、三代目となる藩主に跡継ぎが生まれなかった事を理由に、その時、天下を我が物にしていた徳川幕府は堀尾家を取り潰し処分にしました。こうして堅固な守りを誇った名城、松江城は、結局、一戦を交えることもなく無情にも奪われてしまったのです。

番組では、百戦錬磨の武将、堀尾吉晴の類まれなる築城の知恵と、心血を注いだ城を奪われた無念を追いました。