映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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六十二候「熊穴にこもる(くま あなにこもる)」
六十三候「さけの魚群がる(さけのうお むらがる)」

二十四節気の暦は大雪!

「熊穴にこもる(くま あなにこもる)」
「さけの魚群がる(さけのうお むらがる)」
この時期、北海道の千歳川などでは、川で生まれ海で育った鮭が、生まれた川に産卵のために戻ってくる「鮭の遡上」が見ものですね。今回の候では、冬籠り、雪遊び、牡蠣、鮭、羽子板市など、この季節の話題を楽しくお送りします。

今回の候にもある様に、山に暮らす熊が体力温存と寒さから逃れるため、穴にこもる季節。ヒグマなどは、この時期に子供を生む事が多いので、寒さから小熊を守る目的もあるそうです。穴の中では、ほとんど身動きせず、脈拍や呼吸数も減少します。ただ、わずかな音や匂いなどの刺激で目を覚ますほど、眠りは浅いそうです。このため、熊の場合は、「冬眠」ではなく、「冬籠り」という言い方をするそうです。

暦は大雪。まさに、雪の多いこの時期を現しています。子どもの頃はワクワクしながら雪遊びをしましたね。秋田県や新潟県など雪の多く降る地方では、かまくらの中で、子供達がお餅を食べたり、歌を歌ったりする伝統行事が古くから行われています。
かまくらの中からほんのりと明かりがともされる夜の風景は、幻想的で大変美しいですよね。
こうして見ていると、子どもの頃のあの感情が甦ってきそうですね。

牡蠣は、冬のこの時期に旬を迎えます。広島の牡蠣で有名な「真牡蠣」をはじめ、有明海などで獲れる「すみのえ牡蠣」など種類も豊富です。また、「海のミルク」といった呼ばれ方もしていますね。これはタンパク質やカルシウム、亜鉛、ミネラルなど様々な栄養素を多く含むために、こう呼ばれているのです。

北海道といえば、「ちゃんちゃん焼き」ですよね。鮭と季節の野菜や山菜を、鉄板で蒸し焼きにし、味噌で味付けした料理。ちなみに、「ちゃんちゃん焼き」の語源は、「ちゃっちゃと作れて、焼く時に鉄板がチャンチャンという音が鳴るから」だそうです。

東京の浅草では、この時期「羽子板市」が行われます。浅草寺の境内は、どこを見ても羽子板ばかりになります。羽子板は、室町時代ごろには「羽子(はね)」をつく「木の板」という意味で「羽子木板(はごきいた)」と呼ばれていたといいます。
その後「木」が略され、現在の「羽子板」となりました。