映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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三十二候「蓮始めて開く」(はす はじめてひらく)

二十四節気の暦は小暑!

「蓮始めて開く(はす はじめてひらく)」
今週の候は、蓮の花が開き始める頃を表したものです。 「蓮は、泥より出でて、泥に染まらず」という例えがあります。泥から生えて気高く美しく咲く花、それが蓮なのです。今回の候は、海、西瓜、入道雲、かき氷、川崎大師風鈴市など、この季節の話題を楽しくお送りします。

毎年7月1日は、各地の海水浴場で「海開き」が行われます。沖縄では、3月下旬から4月にかけて行われます。ちなみに、日本で一番早い海開きは、小笠原諸島の父島と母島で、なんと元旦に海開きが行われるそうです。そして、7月第3月曜日は、国民の祝日「海の日」です。四方を海に囲まれている日本は、まさに海なくしては繁栄できなかった国であり、海への感謝を忘れないでいたいものですね。

「西瓜(すいか)」は、暑いこの時期には欠かせない果物です。「西瓜」という漢字は、元々中国の西にあった「ウイグル」から、この「すいか」が渡ってきた為だそうで、「西から来た瓜」で「西瓜」となったとされています。また、西瓜が中国から日本に伝えられた際、中国語で「サイクワァ」と発音されていたものが、日本に来て徐々になまっていき、「すいか」となったといわれています。

青い海と空には、モクモクとした白い雲「入道雲」が欠かせません。入道雲は、強い日光で地面が暖められ、下の空気と上の空気の温度差が大きくなってできる雲です。高さは、高いもので10キロにもなるそうです。また、水蒸気を多く含む雲であり、雷と共に大雨を降らせる雲と言う事で、「雷雲(らいうん)」といった呼び名もあります。入道雲を眺めながら、海水浴を楽しもうと思っていたら、雨に降られてビショビショなんて事もよくあるそうです。

海の家で忘れてはならない食べ物が「かき氷」です。ちなみに、平安時代の女流作家・清少納言も、かき氷を食べていたそうです。「枕草子」には、上品なものや良いものを書き記した「あてなるもの」という項目があり、その中に、「削り氷(けつりひ)にあまづら入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる」という記述があります。これは、金属の器に盛った刃物で削った氷「削り氷(けつりひ)」に、「甘葛(あまづら)」という蔦(つた)の樹液をかけたというもので、現代のかき氷とほぼ同じようなものを食べていたことが分かります。

夏といえば、こちらの「風鈴」も忘れてはなりません。神奈川県川崎市の川崎大師では、この時期「川崎大師風鈴市」が行われます。全国からおよそ9百種・3万個の風鈴が一堂に集まり、涼やかな風鈴の音色が境内いっぱいに鳴り響きます。岩手県の伝統工芸である「南部鉄器」でできた「南部風鈴」や、ガラス風鈴の元祖「江戸風鈴」など、様々な種類の風鈴が、人々の目や耳を楽しませてくれます。