映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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十三候「玄鳥至る(つばめ いたる)」
十四候「鴻雁かえる(こうがん かえる)」

二十四節気の暦は清明!

「玄鳥至る(つばめ いたる)」
ツバメは繁殖の為、春に東南アジアから日本に飛来してきます。この候は、そんな様子を表しています。
「鴻雁かえる(こうがん かえる)」
ツバメとは逆に、雁(がん)は冬を日本で過ごし、春になると北へと帰っていきます。その事を「帰雁(きがん)」といいますが、この候は、まさにそれを表現しています。 今回の候は、ツバメ、山吹、ホタルイカ、雁、高山祭など、この季節の話題を楽しくお送りします。

ツバメは家の軒下などに泥と枯草を唾液で固めた巣を造り、人が住む環境と同じ場所で繁殖します。これは、カラスなどの天敵から身を守るためであるそうです。この泥を巣の材料にする様子から、土を咥える「土食(つちばみ)」という言葉が「ツバメ」に転じたのが、名前の由来だとも言われています。

山吹は、春になると、明るい黄色の花を数多く咲かせます。高さは、1メートルから2メートルと樹木としては小柄で、茎が柔らかく、先端がやや傾いているのが特徴です。名前の由来は、小柄で枝が細い為、風で簡単に揺られてしまう事から、「山振り(やまぶり)」と呼ばれたのが、転じて山吹となったといった説があります。

この時期、北陸の富山湾ではホタルイカ漁が盛んになります。海も空も真っ暗な世界で、ホタルイカだけが青白く輝く光景は、美しく幻想的ですね。普段は深さ200~600mの深海に生息していますが、産卵期の4月から6月は、海面近くに姿を現します。特に、海岸の近くまで大群が押し寄せるのは富山湾独特の風景で、この頃の風物詩でもあります。

雁(がん)は、カモ科の水鳥の総称。ちなみにガチョウも雁の仲間です。雁は北へと渡っていく時、一匹を先頭にしてV字型を作り、複数で飛んでいくのが特徴です。このように編隊を組んで飛ぶと、前の鳥が羽ばたくことで、その後ろに上昇気流が生じ、後ろに続く雁がその気流を利用して飛ぶことができる為、楽に飛べるそうです。

京都市の「祇園祭」、埼玉県秩父市の「秩父夜祭」と並んで「日本三大曳山祭(ひきやままつり)」の一つに数えられるのが、岐阜県高山市の「高山祭(たかやままつり)」です。春に行われる「山王祭(さんのうまつり)」と、秋に行われる「八幡祭(はちまんまつり)」の2つの祭を指し、高山の人々が16世紀から17世紀ごろから受け継いできたものです。このうち、高山に春の訪れを告げる「山王祭」が、4月14日から15日にかけて行われます。