映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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九候「菜虫蝶となる(なむし ちょうとなる)」
十候「雀始めて巣くう(すずめ はじめてすくう)」

二十四節気の暦は啓蟄から春分!

「菜虫蝶となる(なむし ちょうとなる)」
菜虫とは、大根や白菜などの野菜を食べる虫のこと。ここでは、モンシロチョウの幼虫を指しています。
「雀始めて巣くう(すずめ はじめてすくう)」
春は雀にとって繁殖期で、雀が巣を作り始める時期であることを表しています。今回の候では、モンシロチョウ、菜の花、雀、春の夜明け、苺など、この季節の話題を楽しくお送りします。

モンシロチョウが羽化する瞬間をご覧になった事がありますか?蛹の背中から、少しずつゆっくりと出てくる姿に、あともう少し、頑張って!と、思わず応援してしまいたくなります。蛹の姿で冬の寒さをじっとこらえ、華麗な変身を遂げたモンシロチョウ。こうして春の空を楽しそうに舞っていくモンシロチョウの姿に、多くの人が魅了されてきたのでしょうね。

真っ白なモンシロチョウが良く映える黄色い花の絨毯。菜の花畑も春の風物詩ですね。そもそも「菜の花」は、一つの花の種類の名前ではありません。「油菜」や「菜種菜」、「花菜」などの植物を総称して「菜」と呼び、その花ということで「菜の花」と呼んでいるのです。菜の花といえば、食べても美味しいですね。おひたしは、色合いも春らしく、爽やかな苦味が特徴です。

雀は、古くから人間の生活に密接した鳥です。子どもの頃、初めて見る小鳥も雀だったりしますよね。雀の小さい体は、名前の由来ともなっており、「すず」は小さいものを表す「ささ」から来ているといわれ、「め」は「群れ」の意味と、鳥を表す接尾語の意味があるそうです。雀は「ものさし鳥」とも呼ばれますが、小さな体が他の鳥の大きさを表現する際の比較としても用いられてきたからだそうです。

時計の無かった時代、人々は夜が明けるまでを細かく区分していました。夜半過ぎから夜明け近くまでの時間の事を「暁(あかつき)」。東の空がほのかに明るくなる頃を、「東雲(しののめ)」。「日の出」となる一歩手前を、「曙(あけぼの)」。そして、早朝を「夙めて(つとめて)」。暁といえば「春眠暁を覚えず」この言葉が思い浮かびます。「春の夜は本当に眠り心地が良いため、朝が来たことにも気づかず、ついつい寝過ごしてしまう」事を表したものですね。

これから旬を迎え、甘味を増すのが「苺(いちご)」です。草かんむりに母と書くのは、苺の形が、母親の乳房のようだからともいわれています。また、花言葉は「尊敬と愛」、「幸福な家庭」で、母の文字に偽りなしの花言葉ですね。苺は牛乳との相性が抜群。苺を潰して牛乳と混ぜた、苺牛乳もとても美味しいですよね。