映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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六十四候「乃東生ず」(なつかれくさ しょうず)
六十五候「さわしかの角おつる」(さわしかのつの おつる)

二十四節気の暦は冬至!

「乃東生ず(なつかれくさ しょうず)」
乃東とはウツボグサの事で、夏に枯れる草と書いて「夏枯草(かこそう)」とも呼ばれています。
「さわしかの角おつる(さわしかのつの おつる」
さわしかとは大型の牡鹿の事で、牡鹿は一年に一度角が根元から取れて、生えかわります。
今回の候では、まぐろ、ゆず、かぼちゃ、鏡餅、畳替えなど、この季節の話題を楽しくお送りします。

本マグロは冬が旬。青森県で獲れる大間マグロは有名ですね。特徴といえば、脂の乗りの良さでしょう。そんなマグロですが、江戸時代に「ヅケ」という醤油漬けにして、マグロの腐敗を遅らせる技術が生まれる前までは、値段が安い事を意味する「下魚(げさかな)」等と呼ばれていたそうです。また、今では赤身を凌ぐ人気を誇るトロも、1960年代に冷凍保存の技術が進歩するまでは、猫も跨いで素通りする「猫またぎ」と揶揄される程、人気の無い部位だったそうです。

冬至にゆずを浮かべた湯舟に入浴するという習慣は、江戸時代からあったそうです。ゆずはビタミンCを多く含み、体内の毒素を解毒する効果もあるため「ゆず湯に入れば風邪を引かない」ともいわれていました。なぜ冬至の日に入るかというと、湯治と冬至、という語呂合わせだと言われています。また、身体が健康であれば融通が利くと言う事で、ゆずと「融通」をかけたものという説もあります。風邪予防に是非、ゆず湯に入っておきたいですよね。

冬至 に「ん」のつくものを食べると「運」が呼びこめるといいます。にんじん、だいこん、れんこん、など「ん」の付くものを「運盛り」と呼び、縁をかつぎ、栄養をつけて冬を乗りきるという生活の知恵でもあります。かぼちゃも、別名の「なんきん」から「運盛り」の一つ。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言われるほど栄養豊富なかぼちゃもこの時期食べたいですね。

12月28日は末広がりの八がつく縁起の良い日で、鏡餅を飾るのが好ましいとされてきました。鏡餅の餅は、銅の鏡に形が似ており、自らの姿を映して鑑みる(かんがみる)ところから鏡餅と呼ばれるそうです。の丸い形状は「家庭円満」、餅を重ねた姿は「一年をめでたく重ねる」意味があるとされています。お餅の上にある橙は、「代々繁栄が続きますように」という願いが込められています。

年末に大掃除は欠かせませんが、和室をお持ちの方は、「畳替え」も行ったりしますね。正月やお盆には、お客さんを招く機会も多く、新しい畳の上で気持ちよく迎えたいという思いが込められた文化です。
畳替えには、使った年月によって変え方があるのはご存知しょうか。まず3年を目安に、畳表を裏に返し、新しい面を使う「裏返し」を行います。それから5年を目安に、新しい畳表に張り替える「表替え」。
最後に20年を目安に、畳本体を新調します。