SHISEIDO presents エコの作法
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2012年7月13日・27日
「涼む×夏(後編)夏の小物・風物詩」

日本人は、身の回りの自然の中に、涼しく過ごすヒントを探しました。
自然から学んだ知恵は、涼しげな夏の道具を生み出したのです。

自ら風をおこして涼む道具、扇子。
コンパクトに折り畳んでどこにでも風を連れてゆけるこの仕組み。
実は日本人の発明です。
涼をとるための扇子には、秋草の図柄が多くあります。
それは季節を先取りして、秋の涼しさを感じるため。
扇子を使う側だけでなく、周りの人々にも涼しさを届けます。
日本文化の中で扇子が担ってきたのは、
そうした、他人への配慮やコミュニケーションの道具としての役割でした。

夏、扇子とともに懐やバッグの中で出番を待つ手ぬぐい。
江戸時代には庶民にも普及し、浴衣などの反物の端切をそのまま使ったため、端は切りっぱなし。
かえってそれが、乾きやすく雑菌も繁殖しにくいという利点を生みました。
そんな江戸時代には、おなじみの定番柄も登場。
鎌と丸い模様、そしてひらがなの「ぬ」をあらわした「かまわね」。
「ふくろう」の柄は、「苦労」をしない。
かつては、雑巾になるまで使い古し、最後は燃料の足しにしたそうです。
古い物はほとんど残っていません。

そんな手ぬぐいの可能性をさらに広げようとする人がいます。
伝統的な手法で手ぬぐいを作るアーティスト・高橋ヒロコさん。
円と直線のみで表現される現代的な図柄で、若い女性を中心に絶大な人気を博し、
昨今の手ぬぐいブームの中心的存在です。
この手ぬぐいを支えているのは、日本の伝統的な「注染」という染めの技術。
たった一枚の切りっぱなしの布をより魅力的にするのは、作り手の思いと職人のわざ。
そして、使い手の自由な発想です。

夏のまぶしい光を集めて涼しさに変えるガラス。
江戸時代に生まれた日本のカットグラスを切子といいます。
江戸切子本来のシャープさに、現代女性の可愛らしさが加わった
おもわず手に取ってみたくなる作品。
江戸切子の世界に、新たな風を吹かせる一人、女性江戸切子作家、小川郁子さん。
彼女の作品の魅力は、左右非対称のアシンメトリーなデザイン。
矢来や魚子といった伝統的な紋様をあしらいつつ、
大きな曲線を使った、流れるような大胆な構図になっています。
アシンメトリーが生み出す余白。
模様のないところが、涼しさを感じさせるのです。
小川さんは見た目が涼しげになるように意識して作っているそうです。
夏の強い日差しを浴びて、江戸切子のグラスはより涼しげに輝きます。

江戸の夕涼みと言えば、隅田川のほとりで涼む「川涼み」。
中でも屋形船での川下りは、暮れ行く夕日を眺めながら風を感じる最高の川涼みです。
川は、陸より気温が2、3度低く、上流から届く涼風が心地よく身体をクールダウンさせてくれます。
夕日に輝く水面、たゆたう水音、せまる夕闇。
五感すべてで涼を感じる贅沢。
都会の暮しの中で忘れかけていた自然な涼しさを思い出させてくれます。

山形県米沢市。
米どころとして知られるこの土地には、
豊かな自然と人間が共生する里山が今も、壊されずに残っています。
全国でも貴重な、ホタルが自生する地域。
夏になるとたくさんのホタルが飛び交います。
最上川の源流、鬼面川一帯では、地元の人々によって
ホタルの住める環境が守られてきました。
今では「ホタルの里」と呼ばれています。

宮脇賣扇庵

http://www.baisenan.co.jp/

永楽屋 細辻伊兵衛商店

http://www.eirakuya.jp/

ヒロコレッジ

住所:東京都台東区上野 5-9-18 2k540 TAKAHASHI HIROKO BASE
TEL:03-6240-1327
http://takahashihiroko.com/

舟宿小松屋

住所:東京都中央区東日本橋2-27-22
http://www.komatuya.net/

江戸切子作家 小川郁子さん

http://panorama-index.jp/

ルース・ジャーマン・白石さん

<プロフィール>
株式会社スペースデザイン 取締役 営業本部長
ハワイ出身。1988 年にボストンのタフツ大学国際関係学部から(株)リクルートに入社し、以来 24 年間日本に滞在。1992 年に日本語能力試験 1 級を獲得する。
2006 年に、欧米系女性として初の宅地建物取引主任者となる。
株式会社スペースデザイン に在籍し、ビジネスの第一線で活躍している。株式会社スペースデザインでは、来日する グローバル層向け家具付きサービスアパートメントを東京・横浜にて展開。年間 1,000 名 以上の日本への「来客」に接してきた。
不動産業を通して日本の国際化に貢献している。
2012 年 5 月に『日本人が世界に誇れる33のこと』を出版。現在、公益財団法人 日本女性学習財団 評議員としても活動している。