新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

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沖縄やんばる
~希少な生命の楽園 神秘の森をゆく~

漢字で「山原」と書いて「やんばる」。やんばるは、「山々が連なり、森が広がる地域」という意味を持ち、沖縄島北部一帯を指す。大宜味村、東村、国頭村の北部3村は、特に自然環境が良い状態で残っており、多くの動植物が生息。ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネといった生息域がほぼこの3村に限られたものも多く、生き物の楽園となっている。現在の国道58号などが整備されていなかった頃には陸路がなく、陸の孤島と呼ばれていた集落もあった。
そんな沖縄やんばるを旅するのは、俳優・中本賢。広大な照葉樹林のやんばるの森を散策し、年間3000ミリにもなる降水量が、やがて無数の小さな流れとなって湧き出し、多様な植物や生き物を育んでいることを知る。さらに夜間にも渓流を目指してやんばるの森へ。ケブカコフキコガネ、イボイモリ、オキナワイシカワガエルなどの希少種にも遭遇する。また、やんばるの森周辺に点在する集落を訪ね歩き、シークァーサーを作る93歳のおじいさん、民謡名人の91歳のおばあちゃんなどに出会い、いかにして大自然と共に暮らしてきたかを知る。
旅のクライマックスは、やんばるの聖地・大石林山へ。大石林山がある一帯の山は安須杜(アシムイ)と呼ばれ、琉球を創成したとされる女神・アマミキヨが降り立った沖縄最初の聖地といわれる場所。奇岩や巨石、巨大なガジュマルやソテツの群生など、やんばるの神秘にふれる登山道。そして、頂上からは鹿児島県与論島を望む大パノラマが広がっている。