新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

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本州最北 津軽鉄道で行く ~冬の奥津軽 絶景散歩~

奥津軽とは、主に、青森県の西北岸を望む、津軽平野から津軽半島にかけてをいい、いまだ多く残る自然や津軽独特の文化を育む趣のある地域だ。今回の旅では、奥津軽地域を縦走する、日本最北端の民鉄(日本民営鉄道協会に加盟している地方鉄道)・津軽鉄道、通称"ストーブ列車"に乗りながら自然の厳しさ、人の温かさ、そこで育まれた独特の伝統・文化に触れ、真の津軽の冬を体験する。
旅の始まりは、その威容と迫力で、全国的に有名になった五所川原の「立佞武多(たちねぷた)」から。高さ約23メートル、重さ約19トンと、圧倒的な大きさを誇るねぶたには、制作に膨大な時間と労力を費やす。その伝統を引き継ぐ若者たちのあつい情熱と誇りを紹介する。そして欠かせないのが、明治の大地主、津島源右衛門(太宰治の父)が明治40年に建設した、入り母屋造りの「斜陽館」のある旧金木町へ。太宰治はこの家を『苦悩の年鑑』の中で、「この父は、ひどく大きい家を建てた。風情も何も無い、ただ大きいのである」と書いている。小説『津軽』で表現したかった太宰の思いとは? 奥津軽にこれらの文学・芸能を育む経済的礎をつくり上げた「青森ヒバ林」と、森林鉄道が紡ぐ奥津軽の歴史に触れながら、旅の終着点、寒風吹き荒れる日本海へ。奥津軽の郷土料理に舌鼓をうちながら、厳しくも、温かい冬を旅する。