新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

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湯のまち由布院 絶景と旬 ~山頭火が愛した温泉の秋~

由布院は大分のほぼ中央にあり、全国2位の源泉数を誇る日本有数の温泉地。年間約400万人もの観光客が訪れます。
その魅力は由布岳の麓、豊かな自然に囲まれ場所で、温泉に浸かりながらゆっくりくつろぐ贅沢な時間。そして魚や野菜など地産の物を使った美味しい料理にあります。放浪の俳人・種田山頭火も、この地を愛しました。

大分駅から特急で約50分、湯の里・由布院に到着します。由布院の歴史は大正10年、別府温泉を全国区にした油屋熊八が、この土地の美しさに魅せられ別荘を構えたことが始まりです。季節の移ろいがなんとも美しい金鱗湖。由布岳の麓に広がる田園風景など、そのどれもが当時の面影を今に残しています。

今回泊まったお宿は懐石料理が自慢。その朝、手に入った関アジや豊後牛、新鮮な野菜を使った料理はどれも絶品。

旅の最後に訪れたのは、由布院の奥座敷・湯平温泉。開湯は鎌倉時代、「豊後の名湯」といわれ、放浪の俳人・種田山頭火にも愛されました。
湯平温泉のメインストリート、石畳の坂道沿いには、昔ながらの温泉宿や共同浴場が建ち並び、浴衣姿に下駄で散策すれば、湯煙の向こうに山頭火が愛した世界が、ふと浮かんできます。

旅人は作家・島田雅彦。文化人に愛された「由布院」の魅力を余すことなく堪能します。