新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

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オリーブ花咲く遍路道 ~瀬戸内 小豆島を行く~

高松から高速船で30分、瀬戸内海に浮かぶ人口約3万人の島、小豆島。 美しい海、穏やかな気候、島ならではのゆっくり流れる時間、小豆島には癒しを求め、多くの人たちが訪れます。魅力は観光だけではありません。温暖な気候を活かしたオリーブ畑や醤油醸造、他にもそうめんやゴマ油。どれもが日本有数の生産地として知られています。こうした魅力から、島外から新たな生活を求めて、移住する人も後を絶たないといいます。新しいものと古き良き伝統が交錯する"癒しの島"を巡ります。

四国といえば"遍路"。小豆島にも弘法大師(空海)が生国の讃岐と京都を行き来する際に立ち寄り、修行や祈念を行ったとされる霊験あらたかな霊場があり、小豆島八十八ヶ所巡りとして、親しまれています。中でも山岳霊場は、険しい山や崖を登らないと到達できない霊場。瀬戸内海を一望できる眺望は圧巻です。

また近年、小豆島で人気を集める特産といえば、温暖な気候を活かしたオリーブ。初夏には白い花が咲き乱れ、夏の太陽を存分に浴びた実は秋に収穫を迎えます。旅人、島田雅彦はオリーブオイルを使った料理に舌鼓。島特産の醬油造りでは、蔵を見学。そこから聞こえる不思議な音。それは木桶で菌が発酵する際にでる音で、呼吸する蔵から作り出される醬油は絶品です。

島一番の催事は、300年余りの伝統が誇る農村歌舞伎。国指定の有形民俗文化財でもある、島民憧れの舞台に、島に移住した子供が参加。堂々とした演技に舞台と観客がひとつになります。潮風香る瀬戸内海、小豆島の初夏を旅します。