新・にほん風景遺産~故郷を見つめなおそう~

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北陸の春を探して ~桜満開の金沢 雪解けの奥能登~

「北陸新幹線でゆく金沢・能登」 旅人:島田雅彦
2015年3月14日開業した北陸新幹線。東京から最速2時間28分とアクセスが便利になった、石川県金沢市、さらにローカル線に乗って、能登半島へ旅し、北陸地方にとって特別な〝春〟を探しに行く。金沢は、加賀百万石の城下町として発展し、藩政時代には江戸、大坂、京都に次ぐ規模の大都市であった。その面影が残る茶屋街を歩き、昔ながらのしきたりを守る茶屋の名物おかみに出会う。そして、知る人ぞ知る金沢の奥座敷〝湯涌温泉〟で、小さな春を味わう。 一方、金沢からローカル線で向かった能登半島は、古き良き日本を思い起こさせる素朴な土地。通りを歩けば、ワカメを干す人たちに出会い、海に浮ぶ小さな船や、棚田の風景が広がる。また、能登は日本有数の酒どころ。能登杜氏(のととうじ)が作った酒が保存される酒蔵は、廃線跡に残された古いトンネルで、その先をトロッコで進めば絶景の海と、ひなびた駅にたどり着く。そして、出会った一人の鍛冶職人。彼にも〝決意の春〟があった。 全く違った空気を持ちながらも、同じように春を待つ金沢と能登…。北陸の人々が待ちこがれた春を感じる旅だ。