アーシストcafe 緑のコトノハ

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2015年6月1日~6月5日
山田直行(名栗カヌー工房 代表) 

埼玉県飯能市で、地元の山の間伐材を使って、カヌーを手作りしている山田直行さん。飯能は江戸時代から名を馳せた「西川材」とよばれる杉やヒノキなどの産地です。しかしこの林業の町でさえ、間伐材の有効利用は課題。杉などの人工林は定期的に間伐をすることで、その環境が健全に保たれます。しかし安価な外材に押され、手間のかかる作業は避けられがち。またたとえ間伐されても、売り物にならない木の多くが山に切り捨てにされてしまいます。そのために山田さんが始めたのが、地元の間伐材で作るカヌーでした。中でも杉は柔らかくて加工しやすく、軽くて水に浮きやすく、さらに芯の部分の赤白の色味が美しいため、ウッドカヌーに最適なのです。 1996年から名栗湖畔でカヌー工房をスタートさせ、自然を愛する全ての人が気軽にウッドカヌー作りを楽しめるようにと、活動を続けてきた山田さん。工房で作ったカヌーを使って、名栗湖でカヌーの乗り方も教えています。さらにカヌー作りで培った木工技術を活かして家具作りも行い、近隣の幼稚園や企業でも活用されるなど、名栗カヌー工房の間伐材の有効活用は、広がりを見せています。 「山を大切に守りながら、活用する楽しみを多くの人に知ってもらいたい」と、山田さんは願っているのです。