にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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東京都・「力溢れる町・深川」




今回は東京の深川での道草。
深川は江原が育った町ということもあり、とても縁のある町だそうです。
江原自身が月に1度は行くようにしているという「富岡八幡宮」へ向かいます。

江原が小さい頃に祖母に手を引かれてよく歩いたという道が永代通り。
富岡八幡宮はこの永代通りに面しています。
大きな鳥居の前に着くと実家に帰ったかのようなほっとした表情になりました。

さっそくお参りに来ていた柴田さん親子に出会いました。
2歳の真緒ちゃんが手に持っていたのは1枚の紙。「形代(かたしろ)」と呼ばれる人形が書かれた紙です。自分の体に形代を撫でつけ息を吹きかけることで半年分のけがれを移し、お祓いをしてもらうことができるそうです。
身を清めて新たな気持ちになれる古からの習わしです。

権宮司の櫻井重信さんが境内を案内してくださいました。

まず最初に見せて頂いたのが大きさ、重さがともに日本一といわれているお神輿です。
高さ4m、重さは4,5tにも達するもの。お祭りでこの神輿を出すとあまりに大きくて信号にぶつかってしまうそうです。
それでも2tもの重さを氏子が一生懸命担ぐ姿からは日本人の文化でもある「和」を感じるという櫻井さん。1人では到底できないこともみんなで力を合わせれば何でもできる、この精神を大切にすべきだと考えているそうです。

また、他にも"力"に関連する見所がありました。
その1つが横綱力士碑。拝殿から見えにくい位置にありますが、その存在感たるやまさに横綱級。豪壮な構えの碑には歴代の横綱力士の名前がすべて刻印されています。

その理由は富岡八幡宮が江戸の勧進相撲発祥の場所と言われているからなのです。
江戸時代に境内で勧進相撲が始まり、以後100年ほど続けられたと言います。
相撲の神と言われる「野見宿祢(のみのすくね)」をご祭神とした「野見宿祢社」も祀られており、今でも多くの力士がお参りに足を運んでいるそうです。

古より相撲は神事。しこを踏むことによって土中の邪気を払うと信じられてきました。
櫻井さんは素晴らしい文化が残っていても現代では形にだけとらわれていて、真髄を見ない人が増えていると感じているそうです。話を聞いた江原も深く共感。 先人が築いてきた大切な文化の真意に気付いた上で大切にする気持ちを持ってほしいと願うのでした。