にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

東京都・「時代写す隅田川の真姿」




今回は昔から江戸と東京の生活を支えてきた「隅田川」を道草。
しかも江原さんの好きな屋形船に乗って普段見ている景色とは違った東京を探しに行きます。橋の下をくぐる船ならではの景色や、浮世絵などを使った今昔の比較を織り交ぜながら紹介します。

さっそく屋形船屋「深川富士見」の5代目石嶋一男さんと6代目の広士さん親子と出会い、屋形船に乗ります。出航してまもなく見えてきたのは、石柱で囲まれた一角です。
現在は使われていませんが、貯木場(ちょぼくじょう:材木商などが木材を保管しておく場所)だったのだそうです。船で近くに行かないと見られない独特の風景が見られます。

佃大橋を超えて中央区にある佃の町が見えてくると、昔と景色が変わったことに驚く江原。
江戸風情残る代表的な下町というイメージだったのが、高層マンションが立ち並び昔ながらの風情も薄まったと嘆きます。そこで5代目石嶋さんに教わったのがこの地に佃の町ができた歴史。佃は関西の漁師が徳川家康の命で移り住んでできた町といわれています。そして佃の町に祀られている「住吉神社」が深川にもあると聞いた江原。
興味深いと行ってみることに。

江東区牡丹町の住吉神社には、中央区佃の住吉神社の分霊が祀られています。
近所に住むという神谷さんに「神職ではなく町民が協力して神社を守っている」と教えてもらい感心するばかりの江原。昔は「深川佃町」という町名もあったほど中央区佃と関係が深い場所だと初めて知ったと驚いていました。

屋形船で行く隅田川の道草に戻り、続いて教えてもらったのは「萬年橋」。
ここの橋は、かの歌川広重や葛飾北斎らが浮世絵の題材として描いたことで有名で江戸時代から風光明媚な場所として親しまれていた場所です。
また、明治時代には「外輪船」と呼ばれた車輪のついた蒸気船が走っており、隅田川から小名木川へ入る境界となる生活に密接していた橋。
番組では浮世絵と現在の景色を似せて見せることで時代の移り変わりが見えてきます。
5代目一男さんは、父である金太郎さんから当時は千葉の銚子まで3日がかりで行ったと教えてもらったそうです。ゆったりとした風情ある景色を思い描きつい顔がほころぶ江原でした。

この日はあいにくの天気でしたが、隅田川沿いの名所に仲間入りした「東京スカイツリー」が雲の切れ間から少し顔を出してくれました。
こうして昔の面影を残す一方で近代化され新しく生まれる景色もあるのが隅田川。
一男さんは「川を渡りながら昔はここにこういうものがあってね…と伝えていきたい」と言います。まさに道草がもたらしてくれた発見がたくさんありました。