にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

東京都・「阿吽の心意気・西日暮里」




今回は東京都西日暮里で道草です。
西日暮里は、江原が学生時代に住んでいた地域ということで、とてもなじみ深い場所。
新たな発見を期待し道草をスタート。

JR西日暮里駅のほど近くを歩いていると「新堀谷中総鎮守」と書かれた「諏方神社」を発見。なんでも"新堀"とは日暮里の旧名だとか…

こちらの諏方神社、長野県は信州諏訪大社の分社。
800年以上の歴史を持ちます。鳥居をくぐるとすぐ目についたのが神輿蔵を守っている狛犬。朱色に塗られた鼻と口が愛嬌のある顔にしています。
「こんな愛くるしい狛犬さんは見たことがない」と気に入った様子の江原

お話を伺った宮司・日暮壮史さんは25歳の時に父である先代を亡くし、若くして宮司を継ぎ今日まで神社を守ってきました。
ここまでくるにはお祭りや会合など、事あるごとに氏子さんに助けられてきたと振り返ります。親戚のように支え合える関係こそが、町の人々と神社をつなぐ大事なことだと教えられた江原。

境内には「れ組」と書かれた鳥居がありました。
江戸時代から続く伝統文化、町火消しの「れ組」が奉納したものです。
宮司さんに「れ組」の元組頭である中村福太郎さんをご紹介頂き、訪ねてみることに。

江戸時代、大岡越前守忠相が火事の多かった江戸の町を守るために結成させた町人による火消し組織「いろは48組」。「れ組」はその中の1つ。
今年で90歳、中村さんのお宅には「れ組」のまといが保管されています。
時代劇で屋根の上で派手に振り回されるまとい。その姿 実はまだ火が移っていない場所で火の粉をはらっているのだそうです。また、火事場で身に着けるハンテンにもデザイン毎に意味があることを教わり、知らないことだらけの江原は驚きの連続。

最後に中村さんが教えてくれたのは、火消しとして今でも大切にされている心意気。
火事場で"心を1つにする"ための歌「木遣り」に込められていました。
消防車もない時代「一致団結し力を合わせる」ことが火事場を鎮火させるのに最も必要だったと教えてくれました。
中村さんは、同じ町に住みながら隣人を知らないのが珍しくない現代、そして挨拶さえできない大人がいることを嘆いていました。
江原は今こそ「あ・うんの心」を作ることが大切なのではないかと痛感したのでした。