にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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ストーリー

東京都・「宿場町品川・繁盛の心得」




今回は東京都品川で道草です。
品川は東海道の中でも歴史深く、江戸日本橋から第一の宿場町として栄えました。

最初に道草したのは、小泉長屋と呼ばれる地区。
江戸時代、長屋の貸家が多くあったこの地域で、江原が見つけたのは今でも使われている井戸。
この近くには使えなくなってしまったものも含めると4つの井戸が見られます。今では貴重な風景。
江原が幼少期、井戸端で祖母と洗濯をしていたという思い出に懐かしそうな笑顔も。

大きな通りに出ると、近代的な風景の中にお宮が見えてきました。
「品川神社」です。西暦1187年に創始されたこちらには、今でも宿場町ならではの姿が残っています。
江原が気になったのが、境内の摂社である阿那稲荷神社。
阿那稲荷神社にはなんと2つの社があるのです。
それぞれの社に込められた意味を知って江原もビックリ。
中に入ると「一粒萬倍の泉」と書かれた銭洗いの泉が目に留まりました。
宿場町として栄えた品川では、客商売の人々が多く住んでいました。
一粒の米が萬倍の穂として実る稲穂にあやかり、この水でお金を洗って商売繁盛を願われたのだそうです。

続いて、旧東海道を歩く江原。
歴史がありそうな畳店へ道草することに。江戸時代から続く「松岡畳」。
機械化が進む畳業界の中でも、いまだに手作業にこだわっていらっしゃる職人に出会いました。ご主人の松岡清隆さんは7代目。

平安時代、畳は権威のある人しか座れない敷物だったと教えてくれたご主人。
誰もが座れるものではなかった最高の贅沢品だったことを江原は知ります。
職人として大事にしているものの1つ、畳の大きさに合わせて出る余白部分を切る為の「包丁」を見せてくれました。
中華包丁ほどの大きな包丁が毎日砥いでいる為に、本来の大きさから1/3ほどまで小さくなったりするのです…。

畳やふすまを新調した時には家の中が一気にきれいになります。
この時のお客さんの笑顔が御主人にとって何よりの喜びだとか。
お客さんの家族の幸せを一緒に喜べるから続けているというご主人の姿に心洗われる道草でした。