にっぽん今昔道 江原啓之のちょっと道草
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島根「神をお迎えする出雲」




にっぽん今昔道。第六回目は神話のふるさと、島根県の出雲大社から。

10月の事を一般的に「神無月」と言いますが、それは八百万(やおよろず)の神様が出雲大社にご出張されるから。つまり、"神様がいない月"。
しかし出雲では、10月は神様が集まる月。なので「神無月」ではなく「神在(かみあり)月(づき)」と言うんです。

そして出雲に集まった全国の神様は、"男女のご縁について"相談するのだとか。
そんな縁結びのご利益を求めて、出雲大社には年間200万人の参拝客が訪れます。
今回は出雲大社の鳥居が見える参道から"古き良き美しい日本"探しの道草、スタートです。

町歩きを始めた江原が早速見つけたのは「おぜんざい」のお店。
実は「おぜんざい」は、出雲が発祥と言われているんです。
その秘密を伺いつつ…江原、早速、伝統のおぜんざいに舌鼓!

「おいしいもの探し」のエンジンがかかってしまった江原。
「蒲鉾」の看板を見つけます。
こちらは昔ながらの住宅を改装して営業する横庄蒲鉾店。
実は江原、こちら一度来たかったお店だったとか…

海の近い出雲ではトビウオの蒲鉾「あご野焼き」が名物。
蒲鉾専門店ならでは…アツアツの出来立てあご野焼きを江原初体験!
思わず「おいしい!」と大喜び!
大感激のまま作業場へお邪魔させてもらうと、更なる驚きが!

そこには、まるで絵画の様に色とりどりに描かれた蒲鉾がありました。
これも、出雲の伝統「細工蒲鉾」。
鯛や海老、鶴、扇などに型どられた蒲鉾に、更に彩色した蒲鉾で色をつけていくのです。
出雲地方では、この細工蒲鉾は結婚や出産など慶事の際の引き出物として重宝されています。
蒲鉾の絵描き体験をさせてもらった江原、職人から褒められてご満悦!

道草を再開した江原。道々の家で軒先に竹筒が下げられ、お花が飾られているのを発見。
町の人によれば、なんでもこの通りは「神在月」に神様が出雲大社へ向かう為の"神様の通り道"なのだとか。

この町に住む人たちには、毎月1日、この竹筒に海水を汲み家の様々な場所をお清めする「潮汲み」という風習があるそうです。
「潮汲み」が終わると、その竹筒に綺麗な花を活けて、神様と道行く人々へささやかな敬意を表しているんです。

江原が最後に立ち寄ったのは"神様の通り道"に面してお店を構える「祝凧高橋」。高橋さんはその祝凧を作っている唯一の職人。
出雲地方では、子供が生まれると「鶴」「亀」の文字が書かれた凧をお贈りする風習が残っています。
新たな命の誕生を皆で祝い喜びを分かち合うのです。

神様と共に暮らす出雲の地。
どんな些細なことであっても、"神様を敬う気持ち"や"一緒にお祝いする心" に触れた道草でした。