小西真奈美の恋する惑星~NY、LA、TOKYO 三都物語~ 

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放送内容

風の男と、韋駄天(いだてん)の女 70年の恋 〜白洲次郎、正子〜

東京都町田市鶴川に、ある記念館がある。小西は「武相荘(ぶあいそう)」と名付けられたかやぶき屋根の古民家を訪れる。吉田茂の片腕として、戦後日本の復興に多大な功績をあげた白洲次郎と、その妻で能や古美術、骨董(こっとう)に造詣が深かった随筆家・正子のついのすみかだ。豪商の家に生まれた次郎と伯爵家令嬢の正子が出会ったのは昭和3年。ある名家のパーティーでのこと。次郎は家業の倒産で留学先の英国から帰国し、正子もまた、留学先の米国から帰国したばかりだった。強烈な一目ぼれだった。反対を押し切り結婚した2人は、戦局の悪化の中、農村だった鶴川に引っ越し生涯をそこで過ごす。日本国憲法の制定に立ち会い、進駐軍とも対等に向き合った次郎は「風の男」と呼ばれた。その次郎と暮らす正子は、いつしか「自分は一体何者なのか」と問うようになり、小林秀雄、青山二郎と出会い、その道を究めようとする。家、夫を顧みずまい進する正子は、やがて「韋駄天夫人」と呼ばれた。「円満の秘けつは一緒にいないことだ」とうそぶいた次郎。しかし愛娘・桂子さんの夫・牧山圭男(まきやま・よしお)さんは、そこには同じ志を持つ者同士の固く結ばれた信頼感があったと言う。また、老年の2人が仲良く手をつないで帰っていくのを目撃した知人もいた。恋を長引かせる秘密とは? 次郎は昭和60年死去。武相荘の竹林の中の五輪塔の下に次郎の遺髪を納めた正子は、毎日次郎の存在を感じながら、その13年後に逝った。同じ船に乗り、違う道をたどり、同じ星を見ていた2人。そこには、2人にしかつくることのできなかった究極の恋の形があった。