小西真奈美の恋する惑星～ＮＹ、ＬＡ、ＴＯＫＹＯ　三都物語～　

『エデンの東』で命をかけた恋〜ジェームズ・ディーンとピア・アンジェリ〜

ロスの市街地からハイウェイを３時間ほど走った砂漠の中。１９５５年、ジェームズが２４歳の生涯を閉じた事故現場はあった。猛スピードで死に急いだような人生。その陰には報われなかった生涯ただ一度の悲恋があった。小西はジェームズの友人だったスティーブ・ヘインズさんを訪ね、その事実を知る。ジェームズは『エデンの東』の撮影スタジオで出会ったイタリア人女優・ピアと熱烈な恋に落ちていたのだ。幼くして母を亡くしたジェームズはピアに母の温もりを求め、唯一の心のよりどころとした。しかし、厳格なイタリアンカトリックの母の猛反対を受け、ピアはジェームズと別れさせられ、他の男性へと嫁いで行く。たった４カ月間の恋だった。
ピアを失ったジェームズは自暴自虐となりカーレースへとのめり込んでいく。ピアへの思いを断ち切れないジェームズ。荒れるジェームズを心配するピア。恋する２人は、ピアの結婚後も人目を忍んで会っていた。しかし、それも突如終わりを告げる。２人を決定的に分けた運命とは？　行きつけのレストランで起きたピアの夫とのいさかいとは？　ジェームズが事故死したのは，その後間もなくのことだった。「ジェームズほど愛した人はいない」。そう語ったピアは、ジェームズの死から１６年後、睡眠薬の過剰摂取で死亡した。自殺だといわれている。