BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~

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放送内容

石黒賢がたどる日本のアンデルセン
浜田広介「泣いた赤おに」の秘密

『泣いた赤おに』、『むくどりの夢』など心温まる童話を書き、小川未明と並び「日本のアンデルセン」と称された作家・浜田広介。自ら、作品を「ひろすけ童話」と呼び、お伽話(とぎばなし)と区別がなかった童話の地位を高める貢献をした。

明治26年、山形県東置賜郡屋代村(現・高畠町)の農家で父・為助、母・やすの長男として生まれた広介は、小さな花や虫の命をも慈しむ優しい母の心を受け継ぎ、幼い頃から文才を発揮してコンクールなどで入選。しかし、広介が16歳の時、父が破産し、両親が別居。母・やすと別離する運命を迎えた。寂しさに耐え、母を慕う気持ちが後に名作『むくどりの夢』を生み出した。その後、一心に童話を書き続けた広介は、自分を不遇な目に追いやった両親にも優しさを見出そうとする。こうして生まれたのが代表作『泣いた赤おに』だ。「悪」を悪として描くのでなく、「善意」を信じて描くことが「ひろすけ童話」の本質だった。

昭和に入り、日本が戦争へと突き進む中、雑誌の連載を失い、ペン一本で家族を養う広介は苦難の道を歩んだ。しかし、戦後『ひろすけ童話選集』が児童書のベストセラー1位に。平和を取り戻そうとする人々が求めたのは、広介が描く温かい心だった。

【出演】石黒賢