BS朝日開局15周年特別企画 黒柳徹子のコドモノクニ ~夢を描いた芸術家たち~

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放送内容

芥川龍之介と太宰治
「蜘蛛の糸」「走れメロス」
子どもたちへのメッセージ

今年の芥川賞は又吉直樹の『火花』が受賞。又吉が芥川龍之介と太宰治の熱烈なファンだったと明かしたため、大正・昭和を代表する人気作家に注目が集まっている。芥川龍之介と太宰治。実はこの2人には、知られざる共通点があった。ふたりとも児童文学において不朽の名作を残しているのだ。現在でも、中学校の国語教科書のほとんどが2人の作品を載せている。高校の国語教科書では、作品が掲載される作家ランキングの1位が芥川、2位が太宰となっている。

今回は、子どもたちに夢を届けた伝説の絵雑誌『コドモノクニ』が刊行されていた大正から、昭和10年代にかけて、児童文学に力を注いだ2人の人気作家の軌跡に光を当てる。なぜ2人は、子どもたちのために物語を書いたのだろうか? 2010年度から芥川賞の選考委員を務める作家の島田雅彦が、その秘密に迫る!

島田雅彦が訪ねるのは、芥川が暮らした東京・田端の文士村。大学在学中に書いた小説「鼻」が夏目漱石に激賞された芥川は、没後に『童話集』が出版されるほど、子どもたちのための読み物を数多く残している。「蜘蛛の糸」は、大正7年に創刊された児童雑誌『赤い鳥』に掲載されたもの。芥川が子どもたちに贈ったメッセージとは?

島田雅彦が、芥川の通ったそば屋や甘味処など所縁の地をたどりながら、芥川の思いに迫る。さらに、島田は太宰治の故郷、青森県の五所川原へ。太宰の生家は今、「斜陽館」として太宰由縁のものを数多く展示している。島田は、普段は展示していない収蔵物を収めた倉庫に特別に入れてもらった。果たして、そこには何があるのだろうか? 太宰が東京で住んだのはJR中央線沿線が多いが、中でも長く暮らしたのは東京の三鷹。島田は、「走れメロス」など名作を生み出した太宰の足跡をたどる。太宰が通った銀座のバー「ルパン」。今も続くこの店で、島田は太宰の好んだ酒を注文…。無頼派の作家がなぜ、子どもたちのための物語を書いたのか、その謎に迫る。

芥川龍之介と太宰治―、2人の人気作家が残した子どもたちへのメッセージを探る旅へ。

【出演】島田雅彦