ネイチャードキュメント 奇跡の地球紀行

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BBCスペシャル
野生のアムールトラを探せ!シベリアの森に生きる

ナビゲーター:宮崎美子

シベリアの雪深い森に覆われたウスリースク自然保護区。車のエンジンも凍る寒さのなか、調査チームによるアムールトラの捜索が始まった。手がかりとなるのは、雪に残された足跡と、過去に取り付けた首輪の発信器の情報のみ。研究者でさえ野生の姿をほとんど見たことがないため、森のあちこちに何十台ものカメラを設置する。
数日後、カメラの映像を確認すると、2頭のオスが映っていた。しかし、メスの姿がいっこうに見つからない。もし1頭もメスがいないとなれば、やがて保護区のアムールトラは絶滅してしまうだろう。
そこへ、さらに気がかりな知らせが入る。密猟により母親を失った3頭の子どもがいることがわかったのだ。そのうちの1頭は保護されたが、ほかの2頭は行方不明になっていた。母親なしでは、まだ幼い子どもたちの命が危ない。一刻も早い救出が望まれる状況だ。
幸いその5日後、森の北にあるロシア軍の基地内で、子どものトラが目撃されたとの情報が寄せられ、2頭目の子どもを保護することに成功する。
ところが、ここへきて調査は難航の兆しを見せ始める。猛吹雪が襲い、手がかりの足跡が完全に消えてしまったのだ。地元住民の目撃情報に望みをかける調査チーム。そして数日間に及ぶ捜索の末、奇跡的に3頭目の子どもが雪に埋もれているのを発見する。だが衰弱がかなり激しい。近くに医療施設がないため、村の民家を借り、必死の救護が行われる。
そんななか調査チームは、ひとすじの希望の光を見いだしていた。森に設置したカメラから、1頭の若いメスがいることがわかったのだ。心配なのは、そのメスがしばらく姿を現していないこと。
調査期間は残り3週間。果たしてチームは、メスのアムールトラを探し出し、母親を失った3頭の子どもたちを救うことができるのか?
シベリアに生きるアムールトラの未来を探る。

今回、ナビゲーターの宮崎美子が訪れたのは東京都日野市にある「東京都多摩動物公園」。
東京都多摩動物公園は、1958年(昭和33年)に開園し、『種の保存』に特に力を入れている。今回のVTRの主役【アムールトラ】は、絶滅危惧種に指定されていて、日本国内では22カ所の動物園に57頭(2015年10月現在)、東京で唯一【アムールトラ】を東京都多摩動物公園で見ることができる。ほかにも、【アムールトラ】と同じく、絶滅危惧種に指定されている【ユキヒョウ】や、国内で初めて自然繁殖に成功した【コウノトリ】など、自然界で絶滅の危機にある動物たちを数多く展示している。そんな動物たちを間近に見ながら、種を保存していくために様々な工夫や努力を重ねる動物園の取り組みなどについて聞く。