王様の家

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ストーリー

【2013年9月20日(金)放送】 第9話 「招かれざる客」

「俺、やることを見つけました。……役者です!」
翔(要潤)が突如として家族の前で決意を表明し、一家はあ然とする。名前も知られていない小さな劇団に入り、稽古に励んでいるそうだ。
「お前が役者になれるわけがない。世の中を甘く見るな。お前が夢を見る時期はとっくに終わってるんだぞ」
30を過ぎていまだに定職にも就かずにプラプラしている翔に、厳しい態度を取る陽介(市村正親)。
「そんなに子供が信用できないのか、親父!」
「今日という今日は絶対に許さないぞ!」
二人のいがみあいは、壮絶な掴み合いの喧嘩に発展する。

そんな時、妙な二人組が訪ねて来る。翔の友人だという雛形(TETSUYA)と西川(重松隆志)は、どう見てもカタギには見えない。
「平井翔が大阪で親分の女に手出しよったんじゃ。慰謝料払って貰おうか」
雇われ用心棒の雛形がおもむろにナイフを取り出して鉛筆を削り出した。得体の知れない恐怖に包まれるのだったが、陽介は毅然とした態度で二人に対した。
「お前たちがやっていることは強請りだ。俺の怒りが沸点になる前に出て行け!」
「マスコミにバラすぞ」
「そろそろキャスターを辞めようと思っている。バラされたところで困らない」
陽介が睨みをきかせると、西川の方は恐れをなして帰ろうとしている。そもそも標的がキングの家だとは知らずにやって来たのだ。
しかし、雛形の方はますます苛立っていた。何をするかわからない狂犬のような男で、西川にもコントロールできない。
「1000万払え。さもなければ……」
「父は関係ありません。許してください。親父にはもう迷惑はかけられないんです!」
陽介を巻き込むことだけは避けようと、翔は体を張って謝った。そんな30を過ぎても父親に甘えている翔が、雛形は許せないようだ。ますます危険な状態になっていく。

「キング、親として謝罪しろ。そうすれば許してやる」
雛形の無茶な要求であったが、陽介は膝をついて土下座する。
「このたびは息子がご迷惑をかけました。申し訳ありませんでした……」
いつも厳しいことは言っていても、夢を見つけてきた翔を応援したい気持ちも人一倍持っているのだ。翔の未来を誰よりも楽しみにしているのだ。そんな息子の夢のためならば、キングのプライドを捨ててヤクザ者に頭を下げることも厭わなかった。
その陽介の姿に、誰もが驚きを隠せなかった。そんな父親の姿を見ると、翔もいたたまらない。あまりにも辛い光景に気持ちを入れ替える決意を新たにし、何度も謝り続けるのだった。
「バカ野郎、親父にこんなことさせやがって! 二度とこんなことさせんな!」
結局、男たちは何もせずに帰って行った。

その後、陽介にわずかな変化が現れていることを家族は感じ取っていた。
「お父さん、そろそろ辞めるのかも……」