王様の家

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ストーリー

【2013年9月18日(水)放送】 第7話 「頑固老人」

「陽介はいるか?」
いきなりマンションに訪ねてきた老人(唐十郎)は、傍若無人な態度で勝手に上がり込んできたかと思うと、牧野(石倉三郎)のことを陽介(市村正親)だと思い込んで騒ぎ立てる。それでいて、陽介を見るや否や、牧野だと思い込んで丁寧に挨拶する始末。
「いつも婿がお世話になっております……」
陽介のことを婿だと言っているこの老人、実は節子(岡田奈々)の父・佐久間泰三であった。
二人は30年前、陽介が結婚の申し込みに行った時に一度会ったきり。しかも、玄関先で追い返されたため、一度も顔を合わせたことはないのだ。
泰三は陽介がいまだに甲斐性なしの売れない漫才師だと思っているようだ。ニュースキャスターであることも、キングと呼ばれるような重鎮になっていることも知らない。
いったい、何をしに来たのだろうか?
きっと泰三は今の平井家の粗探しをし、今になって二人の結婚に言いがかりをつけに来たに違いない、との牧野の推測に従い、理想的な家庭を築き上げた風を演出しようとする。
しかし、翔(要潤)のせいでそれもうまく行かず、節子が帰宅した時には掴みかからんばかりの大喧嘩になっていた。
「こんなヤツ、さっさと別れてしまえ!」
「こんな爺さんがお前の父親なんて、がっかりだ!」
その時、突如として泰三が胸を押さえて倒れてしまう。悪い病気ではないが、もう無理はできない年齢である。
泰三は陽介と二人だけで話したがった。
「どうして30年も顔を見せなかった? お前みたいな男と一緒にさせるんじゃなかった」
泰三からは恨み節しか出て来ない。結局、何をしに来たのか、よくわからないままだ。
泰三の荷物を解いていた節子は、行李の中に桐の箱が入っていることに気づく。箱の中には、着物が入っていた。その着物は、節子の両親があつらえたものだった。節子が結婚式で着るために。
「お義父さんは、節子がこの着物を着るのを楽しみにしていたんだ。なのに、俺の甲斐性がなかったばかりに、結婚式どころか結婚写真も撮っていない」
陽介は、結婚写真を撮ることにした。これが陽介のケジメだった。
節子が花嫁衣装に着替えた時、気がつくと泰三の姿はなくなっていた。置き手紙だけを残して。
『陽介君、君と喧嘩して楽しかった。節子、いい男と一緒になったな』
結婚写真には、晴れやかな表情の陽介や節子の姿があった……。