王様の家

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ストーリー

【2013年9月10日(火)放送】 第2話 「辞めない総理」

定職にも就かずにいい加減な生活を送る長男・翔(要潤)であったが、彼が帰ってきてからというもの、家庭は明るさを増しているようだ。
そんなある日、陽介(市村正親)は『ナイトセブン』の視聴率が低下傾向にあることを聞かされていた。視聴率挽回に向けて、その夜の総理大臣(江守徹)との対談に並々ならぬ決意を抱いて臨むのだった。
「総理、あなたは裸の王様だ!」
現役総理大臣相手に臆することなく、過激な発言で一刀両断。総理大臣もまったく反論できずに苦笑を浮かべるばかりであった。その痛快さがおおいに茶の間にうけ、高視聴率も約束された。してやったり、と陽介は満足げに帰宅する。
その夜、何やら不審な人影がマンションの周りをうろついているという情報を聞きつける。その不審者とは、なんと総理大臣であった。
「裸の王様であっても、政府のトップです。あなたのことは全て調べさせました」
秘密にされている陽介のプライベートを切り札として、総理は要求を突きつけてきた。
「内閣支持率が上がるよう、国民が私に期待を寄せるコメントをして欲しい。このとおりだ」
と、総理は突然床に膝をついて陽介に土下座した。総理は支持率を上げて総理大臣の椅子を死守したい一心であった。陽介が断れば家族のことをマスコミにリークする。引き受ければ、番組のために一大スクープを提供すると総理は言う。一瞬陽介の心は揺らぎそうになるが、ここで信念を曲げないのがキングたる所以だ。
「私は視聴率のために番組をやっているわけじゃない!」
総理とキングには、意外な共通点があった。政治家一族の養子になって地盤を引き継ぐことによって総理にまで上り詰めたのだったが、それ以前は不遇の時代を送っていた。就職浪人時代には稼ぎがなくて妻の収入を頼り、もっぱら総理が子育てに励んでいたのだ。それはまさに陽介の漫才師時代と同じだ。
二人は妙な親近感を覚え、若い頃の話に花を咲かせるのだった。
話が進むうち、総理が総理の椅子にこだわる本当の理由がわかる。施設に入っている実の父親に総理の姿を見せたいがためだ。年々記憶が薄れゆく父に生きる勇気を与えるためだったのだ。
「私は今辞めるわけにはいかないんだ!」
意固地になっている総理であったが、陽介と翔が取っ組み合いの壮絶な親子喧嘩をしている姿を見ていると、何かが心の中で動き出したようだ。
「うちの息子は12年振りに帰ってきました。あの息子のおかげで、家族は直接会って話すことが大切だと気づかされました」
その陽介の言葉に、総理はある決意を胸に帰って行くのだった。