王様の家

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ストーリー

【2013年9月9日(月)放送】 第1話:「隠された家族」

ニュースキャスター・胡桃沢陽介(市村正親)。歯に衣着せぬ発言で舌鋒鋭く取材相手を追及し、信念を崩さずに正義のために闘う姿が視聴者から絶大なる支持を集めている。彼は、『キング』の異名で畏れられ、彼のプライベートは一切公表されていない。・・・が、やはり彼にもプライベートはある。本名・平井陽介。都内の高級マンションで妻・節子(岡田奈々)、長女・有沙(佐津川愛美)、次男・準(吉岡澪皇)との三人暮らし。そのことを知っているのは、長年二人三脚でやってきたマネージャーの牧野(石倉三郎)と、新人マネージャーの川崎(春川恭亮)だけだ。
ある日、節子と有沙の二人は、妙な緊張感に包まれていた。
「お兄ちゃん、どんな顔して帰って来るのかしら?」
この日、長男の翔(要潤)が帰ってくることになっていた。なんと12年前に家出して以来の帰宅である。陽介はそれを知らない。知ったら怒りが爆発するに違いないと思い、節子は告げられずにいたのだ。
「ただいま」
そんな心配をよそに、翔は何食わぬ顔で帰宅した。12年前に家出した後、大学を中退して漫才師を目指していたが、まったく売れずに挫折したのだった。
翔の帰宅を知った陽介は、血相を変えた。
「勝手に出て行ったヤツが、どの面下げて帰ってきたんだ! お前がこの家と縁を切ったんだぞ」
陽介は怒りに震える。自ら縁を切って出て行った翔のことを許せずにいるのだ。
その夜、陽介がキャスターを務める「ナイトセブン」では、息子が不祥事を起こした大臣を厳しく追及する陽介の姿があった。
「議員を辞めて、親として責任を果たしなさい!」
しかし、自分の家庭で起きていることを考えると、とても大臣の責任を追及できる立場ではない。翔は知人やサラ金からの借金を踏み倒して逃げてきたのだ。
「お父さんはどう責任を取るの?」
翔は挑発的だった。小さい頃、父が『胡桃沢陽介』になって以来、翔に父親は存在しなくなった。ある日突然転校させられ、父のことは秘密になった。親のイメージを守るための犠牲となったのだ。
翔は父がキングであることに翻弄された少年時代のことを、ずっと根に持って生きてきたのだった。翔が、陽介に食ってかかると、節子が告白した。
「あなたたちとお父さんの関係を秘密にするよう頼んだのは、お母さんなの」
陽介がリポーター時代、彼の過激なレポートが原因で節子が暴漢に襲われたことがあった。陽介は家族の安全のためならば仕事を辞めるとまで言ったのだが、若き日の苦労を知っている節子は、家族の存在を秘密にしてでも仕事を続けるよう頼んだのだった。
「ごめんね、辛くて寂しい思いをさせて……」
はじめて知らされた事実に、翔は思わず口をつぐんだ。
翌朝、翔が借金を踏み倒した件で警察に行く決意をすると、その必要はないと陽介は言う。夜中のうちに牧野たちが駆け回り借金を返済してきたのだった。
「汚いぞ!そこまでして自分の地位を守りたいのか!?」
迫る翔に陽介は、自分もかつては売れない漫才師だったという衝撃の過去を明かすのだった…。