ストーリー

8月10日(水)放送  第6回:「極道志願」

またしても大場(山田明郷)が無茶な頼みごとを直也(柴田恭兵)に持ちかけてきた。ヤクザの親分に扮し、極道を志願して大場の門を叩いている一人の若者を追い返して欲しいという頼みであった。大場は『猪瀬組事務所』の看板まで準備し、玄関先に打ち付けてしまった。
「社会からこぼれ落ちた人間をすくい上げてやるのが極道の役目。どんな人間が来ても追い返さない」が大場のモットー。そんな大場でもさじを投げる極道志願者とはいったいどんな若者なのか。
その若者・中川真(染谷将太)が、訪ねてきた。
「お控えなすって。さっそくですが、ご当家、三尺三寸をお借りして、稼業、仁義を発します……」
まるで昔ながらの極道のように啖呵を切ってみせる、分厚い眼鏡をかけた男。彼の正体は、浪人生だった。

真は一流大学の受験に失敗して人生に絶望し、極道を志した。その決意は固く、入門が認められるまで座り込み、テコでも動こうとしない。
直也らは真を追い返すために、あの手この手の方策を練る。草むしりなどの肉体労働で酷使してみたり、全身に刺青を入れると脅かしてみたりを試みるのだが、まるで効果はない。
「ぼくはこれまでの人生を捨てたいんです」と、かえって真の決意に火をつける結果を招くばかりだ。一同がほとほと困り果てているところに、真の両親、中川裕弥(陰山泰)と康代(山口美也子)が現れる。真を連れ戻しに来たのである。両親の説得の前に、真はますます態度を硬化させてしまう。

弁護士を父に持つ真は、過保護な両親による英才教育を受け、幼い頃から受験一筋に生きてきた。親からの過度な愛情と厳しさ、世間体のためにも絶対に一流大学に合格しなければならないというプレッシャーに押し潰されそうな青春時代を送った末、受験に失敗し、引き籠もりになっていたのだ。直也らは、極道に入ってでも人生を変えたいという真の気持ちに同情的になっていく。
そんな時、両親の説得の末に感情を高ぶらせた真は、真紀(田丸麻紀)の部屋に立て籠もってしまう……。そして、部屋に入った真紀がなかなか出て来ない。もしや、真紀を人質にとって危険な行動に出るのではないかと緊迫感が走る……。

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