ストーリー

7月27日(水)放送  第4回:「極道の恩返し」

「この男を預かってください」
ヤクザの親分・大場(山田明郷)が、直也(柴田恭兵)に頭を下げた。明日自首するというヤクザ者・尾車(高杉亘)を、理由は聞かずに一晩預かって欲しいという頼みである。得体の知れないヤクザ者を預かるなど言語道断。大場の頼みを直也は拒もうとするのだったが、大場が強引に尾車を置いて去ってしまう。
昭和気質の昔ながらのヤクザといった風の男で、寡黙で礼儀正しい、まるで往年の高倉健を思わせる。この不器用な男が理由も言わずに、ただじっと畏(かしこ)まっているのだから気味が悪い。何の罪を犯したのかを聞いても、迷惑がかかるからと言って、決して答えようとはしなかった。
ただでさえ、定年してからというもの夫婦喧嘩が増えている。そんな時に理由も知らずに訳ありの男を預かるとなっては、早季子(浅田美代子)も黙ってはいられない。尾車の存在が火種となり、直也と早季子の諍いも絶えない。
すると、責任を感じた尾車は、突飛な行動に出る
「自分のせいで喧嘩になって、すみません。自分、指つめます」と、包丁を取り出したのだ。

どうにかして尾車の暴挙をなだめるのだが、そこに、酒に酔った多田野(金田明夫)がやって来る。自首する前の犯人を匿っていることを現役警察官である多田野に知られてしまっては大問題になってしまう。直也が一晩尾車を匿うこととは違い、現役警察官が片棒を担いだとなれば話はまったく違うのだ。
直也は多田野を守るためにも、尾車の正体がバレないように芝居を打つことを思い立ち、尾車が早季子の浮気相手であるという状況設定に持ち込もうとする。しかし、そんな設定の芝居に早季子が乗るわけもなく、夫婦喧嘩はますますエスカレートしてしまう。

直也と早季子の険悪な雰囲気を悟り、またしても自らの責任を感じる義理堅い尾車。何を思いついたのか、おもむろに砥石を持って一室に閉じこもると、怪しげに刃物を研ぎ始める。その金属音が不気味に響き渡り、直也らは言い知れぬ恐怖感に包まれる……。
尾車はいったい何の為にこの家に預けられたのか、そして何をしようとしているのか。殺伐とした異様な雰囲気に包まれていく……。

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