ストーリー

9月7日(水)放送  最終回:「夫婦裁判」

「助けてくれ」
多田野(金田明夫)が直也(柴田恭兵)に助けを求めて駆け込んできた。秘密に隠し持っていた女性の写真を妻・靖子(あめくみちこ)に見られてしまい、離婚を突きつけられたのだ。その写真の女性は直也も知っている、刑事への情報提供者であった。重要なネタ元の存在はけっして外部に漏らしてはならないのが刑事の世界の掟。多田野は弁解することもできずに逃げてきたのだ。
そこに、靖子がやって来る。靖子の話は早季子(浅田美代子)が聞き、多田野の話は直也が聞くということを直也が提案し、それぞれ別れて一夜を過ごす。
来年定年退職を迎える多田野は、来たる夫婦二人きりの生活が不安でならない。一年早くそれを経験している直也は、多田野の心境が我が事のように身に沁みた。
翌日、猪瀬家は大騒ぎとなる。大場(山田明郷)や町内会長の江田島・李・佐伯が集結し、“裁判”によって多田野夫婦の決着をつけることになったのだ。一同の前で事実を明らかにし、審判を仰ごうという。直也と早季子はそれぞれの弁護人である。
「全面戦争よ!」
靖子から話を聞いた早季子が息巻いている。多田野に物申したいことが山ほどあると見えて、怒り心頭だ。
“裁判”が始まり激しい尋問を受けると、多田野は例の写真の女性が情報提供者であることをあっさりと告白した。刑事としてはあるまじき行為だ、と直也はあっけにとられる。
「俺は一年後の定年を考えて生きたい……」
直也夫婦を参考にし、多田野は刑事のプライドよりも定年後の夫婦のことを優先させたのだ。その決断の重さを直也は理解し、支持する。
「誤解は解けたんだ。靖子さんとうまくやれ」
そうして一件落着した……と思ったのは直也と多田野だけだった。
裁判でさらに3枚の写真が証拠として提出されたのだ。どれも若い女性のもので、多田野が隠していたものだ。多田野はうまく弁解できず、絶体絶命の危機を迎える。
大場の妻・カズ子も加わり、主婦3人が激しく男たちを糾弾するのだったが、やがて夫婦間の秘密について、敵味方入り乱れて侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が交わされる。
多田野は苦渋の表情で、写真の女性の正体をついに白状する。彼女たちは、刑事として生きてきた彼の原点ともいえる女性たちだった…。

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