家族法廷

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ストーリー

【2012年1月18日放送】 第5話  「心の傷」

久美(松永玲子)と健一(六角精児)が、亮太(小林海人)を学習塾に通わせるべきかで口論となった。良い学校を出て良い会社に入れたいという久美と、思い切りサッカーをやらせ男の子らしく育てたいという健一。いつものように達彦(長塚京三)が仲裁に入るが、久美は強引に塾の申し込みを進めようとして険悪な空気に。
そんな折、良弘(TETSUYA)が上機嫌で帰宅する。会社で重要なプレゼンを終え、上司からも高い評価を受けたという。チーフへの昇進はほぼ間違いなさそうだ。
めでたい話題に、家族はおおいに盛り上がる。やはり、良弘のようにしっかり勉強して立派な大学を出ていれば、将来出世できるのだという結論に達する。
「明日はみんな早く帰ってきなさい。全員で良弘の昇進を祝おう」
達彦も喜び、仏壇に手を合わせて亡き妻に報告する。

翌日。家族がパーティーの準備をして待っていると、肝心の良弘がなかなか帰ってこない。ようやく帰ってきたかと思えば、すでに泥酔状態。よほどうれしくて酔いつぶれたのだろうと、良弘抜きで祝杯をあげた。
ところが、翌日から良弘は部屋に引きこもり、出社拒否となってしまう。昇進が決まったものとばかり思い込んでいた一同だったが、どうやら結果は芳しくなかったようだ。
引きこもりも三日が経った。久美や朋子(岩崎ひろみ)はどうにかして良弘から事情を聞こうと試みるのだったが、なしのつぶて。いくら部屋から出てくるよう説得しても、荒れた返事ばかりが返ってくる。「うるせぇ!」
家族の脳裏には、思春期の頃、良弘が荒れていた時の記憶が甦った。今の良弘からは想像できないほど、かつて荒れていた時期があり、灰皿を投げつけた柱の傷は今でも生々しく残っていた。

良弘は、コンペに落選し、後輩に先に昇進されて落ち込んでいたのだ。そんな良弘に、達彦が厳しい言葉をかける。
「コンペなんか、勝たなくてもいい。競争することだけが、お前の仕事じゃないはずだ!」
「それでも父親かよ!」
しかし、かえって逆効果となり、良弘は逆上してしまう。
二代続いた裁判官の子としてのプレッシャーに苛まれ、苦しんだ学生時代。その時も達彦には気持ちを理解して貰えず、良弘は荒れていたのだった。その頃からずっと、二人の距離は平行線を辿っている。
そんな時、冴子はネーム入りの万年筆を見つける。同じ種類のもので、達彦用と良弘用。それは、二人の溝を埋めることのできる、唯一のアイテムだった・・・・・・。