五木寛之の百寺巡礼

五木寛之の百寺巡礼

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放送内容

「本法寺」(京都)

京の閑静な街角に立つ本法寺(京都府)は、日親の創建。日親は熱烈な日蓮宗徒で、「現世に浄土を実現する」という宗祖の教えを貫きますが、時の将軍にまで改宗を迫って室町幕府に投獄、弾圧されます。しかし、「町衆」といわれる商人や手工業者があつく帰依し、寺を支えました。本阿弥光悦や長谷川等伯などの芸術家も信者であり、寺は創作活動の拠点ともなります。特別に、開山堂の日親上人像と対面した五木さんは何を思うのでしょうか。

「西明寺」(滋賀)

琵琶湖東岸の地域に立つ三つの名刹(めいさつ)、湖東三山。その一つ、西明寺(滋賀県)は平安時代創建。織田信長に焼き討ちされますが、僧と村人が結束して抗しました。僧侶が自ら火を放って全山焼失を装い、村人が仏像を背に避難し、その伽藍(がらん)と仏像を守り抜いたのです。中でも三重塔は、鎌倉時代に飛騨の匠(たくみ)が一本の釘も使わずに建てた国宝。質朴な外観ながら、内部には中心にいらっしゃる大日如来像を囲むように、鮮やかな極楽世界が描かれています。