五木寛之の百寺巡礼

五木寛之の百寺巡礼

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放送内容

「萬福寺」(京都府)

江戸時代初期に来日した中国・明の禅僧、隠元。隠元禅師を開祖とする黄檗宗の大本山が萬福寺(京都)です。天王殿には黄金の弥勒菩薩(布袋)が祀られ、その先には蛇腹天井や円窓など、中国風の意匠が施された大雄宝殿。また、別坊・宝蔵院が収蔵する「一切経」の膨大な版木に刻まれているのは、今日も用いる「明朝体」。皆で卓を囲んで食す普茶料理に舌鼓を打ちながら、五木さんは隠元禅師がもたらした大陸文化の重みを噛みしめました。

「専修寺」(三重県)

専修寺(三重県)は親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗十派の一つ、真宗高田派の本山。この寺がある一身田の町にはかつて寺内町が形成されました。教団と檀信徒による自治都市です。寺の片隅の質素な御廟には、宗祖没後、門弟たちに分け与えられた歯骨が埋葬されています。御影堂には親鸞聖人の木像、如来堂には延暦寺から贈られた「証拠の如来」を安置。由緒ある古刹には、今も早朝から鐘の音と共に檀信徒が集まり、説教に耳を傾けています。