五木寛之の百寺巡礼

五木寛之の百寺巡礼

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放送内容

「永観堂」~念仏信仰の拠点~

秋の境内を染め上げる紅葉の美しさから、「もみじの永観堂」とうたわれる永観堂(京都府)。その本尊は後ろを振り返る珍しい姿から、「みかえり阿弥陀」と呼ばれています。平安期の僧・永観が「南無阿弥陀仏」と称えながら本堂の中を歩く念仏の行をしていると、本尊が須弥壇(しゅみだん)から下りてきて彼の前を歩き、振り返って「永観、遅し」と声をかけました。この姿をとどめたとされる阿弥陀如来立像は、衆生のもとに歩み寄る救いの姿を表しているのです。

「横蔵寺」~美濃の正倉院~

濃尾平野を取り囲む深山幽谷の地にひっそりとたたずむ、天台宗の祖・最澄ゆかりの古刹(こさつ)、横蔵寺(岐阜県)。その昔、山の民と最澄が力を合わせて建立しました。仏像や曼荼羅(まんだら)など数多くの寺宝を有し、「美濃の正倉院」ともいわれます。それらの貴重な宝物を納めた瑠璃殿で、五木さんは理想の仏像に出会いました。「ずっとお会いしたいと思っていた仏さまです。繊細で優雅で女性的なりんとした美しさをたたえていらっしゃいます。とくに横顔が好きだな」と。