ザ・インタビュー ~トップランナーの肖像~

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9月27日(土)ゲスト:久保田五十一

シーズン262安打の年間最多安打記録を持つイチロー、日本人で初めてMLBワールドシリーズでMVPを獲得した松井秀喜。彼らの偉業を陰で支えた、バット職人の久保田五十一が今回のゲスト。

今年1月、久保田は55年に渡る職人生活に終止符を打つことを発表した。その決断は、プロ野球界のみならず、世間から多くの注目を集めた。
「まだまだ久保田には活躍できる力があるじゃないか…」
多くの人がその引退を惜しんだ。

希代の名工の引退の真相に迫るべく、インタビュアー・松岡修造は久保田の作業場がある岐阜県養老町へ向かった。松岡が訪ねると、引退直前の久保田はバットを削っていた。引退する人間とは思えぬ、見事な仕上がり。達人の技を間近で見た松岡は、バットをもっと深く知りたくなった。

久保田は、往年の名選手たちのバットが展示されている部屋に松岡を案内。
壁一面に並ぶバットは、もちろんすべて久保田の作品。
それぞれのバットにまつわる、選手と久保田のドラマチックなエピソードを聞く。

仕事の難しさを教えてくれたという中日・谷沢健一とのエピソード。久保田に職人引退を意識させた、三冠王、落合博満からのクレーム。松井秀喜のバットの原型ともいえる、とある選手のバット…。

時間を忘れ、バット談議に花が咲いた久保田へのインタビュー。御年70歳を越えながらも、いまだ衰えなど感じさせない… 最後に松岡は、率直に引退の理由を聞いた。
久保田は、とある選手の生き様、引き際の潔い姿に影響されたと語る。

9月28日(日)ゲスト:原一男

映画監督、原一男。脳性麻痺の障害者を主人公とした作品、自身のプライベートを赤裸々に描いた"セルフ・ドキュメンタリーの元祖"と言われる作品、天皇の戦争責任を追及するアナーキストを追い世界中に衝撃を与えた作品など、約40年の監督人生で、公開したドキュメンタリー映画はわずか4本。
寡作の監督ながらそのどれもが傑作と言われ、今なお熱烈な支持を集めている。
来年には約20年ぶりに新作のドキュメンタリー映画の公開を予定。そんなドキュメンタリー映画界の巨人にインタビューをするのは、ドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」で鮮烈デビューを果たした、同じく映画監督のヤン・ヨンヒ。

共に自分でカメラを回しながら、映画を作ってきた二人。
原監督曰く、「ドキュメンタリーにおいてカメラは、人の心に踏み込む武器」だという。そこで二人のテーブルには、1台のハンディカメラを用意。相手に本音を語らせたい、あるいは「ここぞ!」という場面では、自分で撮影してもらうようにして、収録が行われた。

世界に衝撃を与えた「ゆきゆきて神軍」の主人公・奥崎謙三から、「人を殺すシーンを撮影させてあげます」と持ち掛けられた仰天エピソード。
突然自分のもとを去った最初の妻と、現在の妻との三角関係を隠すことなく描いた、元祖リアリティショーともいうべき「極私的エロス」。
"とにかく映画を面白くすることを考えた"という原が行った、驚くべき演出方法とは…?

映画の中で取材対象者を追い詰め、相手の感情や真実を暴露させてきた原は、自身へのインタビューも作品同様、タブー・隠し事、一切なし。ヤン曰く「原監督は、裸を超えて、内臓・血管の中まで見せる人」だという。
人の心に踏み込んできたドキュメンタリストへのインタビューは、女性遍歴から原作品のプロデューサーである妻との関係性、そして自殺した息子についてまで…、極めて濃密なものとなった。
更に番組では、10年近くに渡って制作を続けている、最新作の映像を公開、撮影現場にも密着した。

「目の前で人が殺されても撮影するか?」「ドキュメンタリーにおけるヤラセとは?」「作品の為、自身の恋愛から恥部までを曝け出すべきか?」等々、世界が注目する、伝説のドキュメンタリスト・原一男の異能の才能と素顔を紐解いていく。