青の宇宙史~フェルメールから北斎へ~
放送内容
【日本唯一!江戸時代から続く浮世絵の版元・伊場仙】
福岡伸一さんと北斎の専門家・国立歴史民俗博物館教授・大久保純一さん、伊場仙14代目・吉田誠男さんと対談。
版元とは、時代のニーズを読み、どのような浮世絵を出版し、販売するかを考えるヒットメイカー。版元が語る北斎の「冨嶽三十六景」が大ヒットした理由とは!?
【アダチ版画研究所】
北斎が下絵を描き、彫師が版木を彫り、刷師が紙に摺る。
「冨嶽三十六景」に代表される浮世絵は、北斎と江戸職人たちの最高の技が生み出しチーム芸術でした。
そんな江戸時代の浮世絵制作と同様のスタイルを日本で唯一持つアダチ版画研究所を福岡伸一さんが訪ねます。
現代最高峰の彫師・刷師に完全再現不可能と言わしめる北斎作品の秘密とは!?
【葛飾北斎 リ・クリエイト】
福岡伸一さんと日本画家・千住博さん、美術評論家・伊藤順二さんによるスペシャルチームが挑む北斎作品のリ・クリエイト。リ・クリエイトとは、最新のデジタル印刷技術で北斎が描いた当時の色彩を再創造すること。
大英博物館をはじめ世界有数の美術館から初刷に近い原画を厳選し、蘇る180年前の鮮やかな色彩美。
そしてリ・クリエイトならではの拡大・縮小によって、初めて出会う北斎の細部へこだわりとたくらみとは!?
【フェルメールから北斎へ 青のストーリー】
「真珠の耳飾りの女」から「神奈川沖浪裏」へ。
17世紀オランダが生んだ天才画家ヨハネス・フェルメール。
19世紀日本が生んだ天才絵師・葛飾北斎。
2人の天才芸術家の魂は期せずして、あくなき青の探究にありました。そしてフェルメールの果たせなかった夢をついに実現したのが北斎でした。止まっていたフェルメールブルーを初めて動かして見せたのです。
【信州小布施】
長野県小布施。雪深いこの地を北斎が初めて訪れたのは83歳の時。晩年に長く逗留し、画業70年の集大成をはかった特別な町・小布施を福岡さんが訪れます。
北斎晩年の代表傑作「怒涛図」。
豪奢な祭屋台の天井に描かれた「男浪」「女浪」。
それは、まさに生命のありようそのもの。生命がもつ創造力、破壊力、あるいは歓びや怒り、あらゆるエネルギーのうねりがこめられ、それは宇宙にまで届いていたのです。