BS朝日開局10周年特別番組 EARTH friendly スペシャル米倉涼子 ドイツ 未来街道を行く~森と古城&エコライフを訪ねる旅~

1992年ドイツの「環境首都」に選ばれ、国内外で有名になった人口20万人余りの都市フライブルク。太陽光発電のパネルを取り付けた建物が随所に見られる。
この街で米倉涼子は、太陽光発電をいち早く推進してきた「ソーラー建築家」ロルフ・ディッシュさんを訪ね、彼の名を一躍世界的にした自宅を案内してもらう。それはギリシャ語で「太陽に向く」という意味の「ヘリオトロープ」と呼ばれる家。太陽を追いながら、なんと家自体が回転し、室内に射し込む太陽光をコントロール。部屋の温度を快適に保つ。またソーラーパネルも太陽を追いながら回転し、最適の状態で効率よく太陽光発電ができるという、アイディアに満ち溢れた、家なのだ。
ディッシュさんは「これからの家はエネルギーを消費するだけではなく、生み出す家であるべきだ」という考えから、「プラスエネルギー住宅」も発想し、電気を自給するだけでなく、余った電気を電力会社に売ることができる集合住宅も、次々と実現させている。
こうしたフライブルクをはじめとする、ドイツのダイナミックな動きは、「再生可能エネルギー法」という、2000年に制定されたドイツ連邦の法律が後押ししている。これは太陽光、風力、地熱などの自然エネルギーで発電された電気を、電力会社が高めの値段で買い取る義務がある、というもの。これにより個人が自給し、余った太陽光発電はすべて一定の高価格で売ることができる。また事業として風力発電を個人や企業が始めるモチベーションが生まれる。こうしてかつて日本が1位だった太陽光発電の発電量は、今や大きくドイツに抜かれ、ドイツが世界一となっている。