ヨーロッパ路地裏紀行

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 [ コペンハーゲン ]  ストゥディ通り





デンマークの首都・コペンハーゲン。自転車文化の街には、通勤時間帯ともなれば専用道に自転車があふれる。第10回の舞台は、中心街・市庁舎のあるラテン地区、新聞社や企業オフィスが立ち並ぶ大通りと交差するストゥディ通り。通りの突き当たりにはコペンハーゲン大学の校舎があり、中世以来デンマークの教育の中枢だった地域。 現在はカフェや若者向けのアパレルショップが連なり、最先端の文化・ファッションを求める若者たちが集う。歴史とサブカルチャーが交錯する不思議で個性的な路地だ。

*理髪師 ハンス・ソーレン・セベリン・ポールセンさん (67歳)

理容店一筋50年のキャリアをもつ男、白髪に豊かな白髭、絶やさぬ優しい笑顔・・・まさにその風貌はサンタクロース。通りの入口に近い歴史ある建物に見習いを終え一人立ちした1970年から店を構える。毎日30名以上、すべて予約客で一杯の人気店。朝7時の最初の客から夕方最後の客まで、食事の時間もとる間もないほどだ。3席あるうち使うのは、ハンスがお気に入りの奥の席。客は数十年通い続ける常連客がほとんどだ。人気の秘密は、ハンスの笑顔と人柄、そして何といっても短時間で美しく仕上げるテクニック。大半の理髪店がバリカンを使うが、ハンスは微妙な色合いを出すハサミこだわり続ける。50年も愛用しているハサミが誇り・・・モットーは時間厳守、客もハンスのルールを守る、遅刻してくるお客はいない。これは最も大切だと教えてくれたのが尊敬する両親だった・・・そしてこの店の秘かなシンボルがレジの横の小さなピアノ、音楽をこのよく愛するハンスは週1回のレッスンに夢中だ。仕事と趣味を兼ねた最高の空間 — 夢は100歳まで理髪師でいることだという。

*アルバート・ハッチウェルさん(40歳)

コペンハーゲンの若者に大人気のアパレルショップ「ALIS」の経営者。オリジナル商品を企画販売している。陽気で情熱的、世話好きな性格から、多くの若者たちに慕われる兄貴的な存在だ。現在は、妻ミシェルと3歳の息子との3人暮らし。アルバートが現在の仕事に打ち込むようになった影にはかつての過ち、そして出会ったばかりのミシェルの支えがあった。アルバートは特別自治区クリスチャニアで20年間暮らしていた。1970年にヒッピーが占拠して以来、自由と独立を標榜する独特な文化を育む地域。8年前に薬を売ったことにより7ヶ月の懲役。妻ミシェルと500を超える手紙のやりとりで愛を深め信頼を築きあげ、家庭を持つ決意をした。毎朝10時に店をあけ、息子の送り迎え、夕食をつくる、アルバートの日常から人生をおう。若者たちの自主性を尊重してつき合う。ただ一つアルバートが許せないこと、それは学校をサボる子。「自由であれ、しかし勤勉たれ」がモットーだ。