中国神秘紀行

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作品内容

秘境 神農架 原始林に生きる黄金の猿 ~湖北省~

今回は、中国中部の湖北省(こほくしょう)に広がる原始林/神農架(しんのうか)を旅します。2000から3000メートル級の山々が連なる大山岳地帯です。この地が中国全土に知られるきっかけは1970年代に巻き起こった「野人目撃」の事件です。「野人」とは直立二足歩行を行い、全身を体毛で覆われた身長2メートルをゆうに越える謎の動物と言われています。目撃者が何人も現れ話題を呼びました。
神農架は野人の存在が噂される程、山々は神秘に溢れているのです。
現在では自然保護区として管理されている原始林の一帯には、中国で絶滅危惧種となっている野生動物が73種類も生息しています。その中でひときわ精彩を放つのがキンシコウです。中国ではジャイアントパンダと並ぶ国家第1級の保護動物で西遊記の孫悟空のモデルになったと言われる黄金の毛並みを持つ猿です。野生のキンシコウは、標高2500から3000メートルの険しい山岳地帯に生息しているため、撮影が非常に難しいとされています。厳冬の冬から春先にかけて神農架の大自然の魅力と共にキンシコウの知られざる生態に迫ります。

神農架には、現在およそ1300匹のキンシコウが暮らしている事が生態調査で分かっています。1300匹は、ひとつがおよそ50~100匹からなる9つのグループに別れています。その中のひとつ60匹からなるひとつのグループに密着することにしました。このグループはさらに4つの家族で構成されています。ひとつの家族は1匹のオスを中心に成り立っています。5~8匹のメス、そして3~7匹の子供です。家族のリーダーであるオスは、常に自分の立場や家族を守り続けなければいけません。なぜなら、病気や怪我などを追い体が弱ると他のオスに攻撃されリーダーの座を奪われてしまうからです。

春先、神農架に最後の厳しい寒波が訪れました。気温はマイナス10度を下回り、山々は凍てつく世界へと変貌します。夏と違い冬となるとキンシコウの食べ物は極端に減ります。寒波が訪れる度に多くのキンシコウが命を落とし絶滅へ向けて拍車をかけていました。そこで、2005年からキンシコウの保護を目的に厳冬の季節だけ食べ物を与えるようになったのです。その効果が現れ1980年代には、500匹しかいなかったキンシコウは1300匹まで増えました。保護観察員の中には、キンシコウと会話が出来る人がいるといいます。一体、どのようにして行うのでしょうか?

様々なキンシコウの生態はドラマチックで、まるで人間社会の様子を垣間見るかのようです。神農架の絶景と共にキンシコウの生態を捉えた貴重な映像をお楽しみ下さい。

初回放送:2010年6月11日