世界の名画 ~美の迷宮への旅~

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ストーリー

巨匠たちの幻の秘蔵傑作選

番組名

美術史に輝く幾多の巨匠たちが生み出してきた数えきれない作品の中で、世に広く知られている名画は、ごくひと握りなのかもしれません。今回番組では、名作の陰に埋もれがちな、一般にはあまりなじみのない作品に目を向けてみることにしました。
ボッティチェリ、ラファエロといったルネサンスのオールド・マスターから、ルノワール、ドガ、セザンヌら印象派の人気者たち、さらにはクリムト、ムンクなど、20世紀のアートに道を開いた画家たちまで、ヨーロッパ各国の美術館が収蔵する膨大なコレクションの中から、隠れた傑作を厳選。有名作品だけからはうかがい知ることのできない、巨匠たちの新たな魅力を掘り起こします。

ご紹介する作品の目玉の一つは、ゴッホのオランダ時代を代表する傑作「馬鈴薯を食べる人々」の習作の一枚。それを完成版と比較することで浮き彫りになったのは、この絵に秘められたゴッホの意外な思惑でした。
ゴッホと並んで日本人にも人気の高いノルウェーの巨匠、エドヴァルド・ムンク。彼の代表作といえば、あまりにも有名なあの「叫び」ですが、実は同じ場所を舞台として、ムンクはほかにもいくつか作品を手がけていました。制作の順を追いながらそれらを丹念に読み解いていくことで、ミステリアスな名画「叫び」に込められたムンクのメッセージが少しずつ浮かび上がってきました。
今回はそうした誰もが知る画家たちの秘蔵コレクションのほか、ヨーロッパ各国で地域に根差して活動し、国民的人気を誇るご当地の巨匠たちの作品にも光を当てます。リアリズムを徹底的に追求したドイツのウィルヘルム・ライブル、印象派の手法を先取りしたハンガリーのシニェイ・メルシェ・パールなど、いずれも日本での知名度は高くありませんが、才能と個性にあふれた逸材ぞろい。メディアではあまり取り上げられることのない、知られざる天才画家たちの魅力に迫ります。