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ストーリー

美しき出会い 知られざる東欧の旅
4 ドナウ川をゆく~ハンガリー・ウクライナ

元モンティ・パイソンのメンバー、マイケル・ペイリンが案内する「Michael Palin's Travel」シリーズ。第4話の旅は、ハンガリー、ウクライナ、そして終点黒海のリゾート・ヤルタへと続く。ハンガリーの首都ブダペストでは、ゲッレールト温泉を楽しんだ後、国会議事堂、恐怖の館を訪問。さらにデザイナーのカティに頼まれ、ファッションモデルに初挑戦。
ウクライナの首都キエフでは、話題のカップル、首相の娘ユウジェニアとイギリス出身のヘビメタロック歌手ショーン・カーに突撃取材! 彼らと別れたマイケルは、世界最長のトロリーバスに乗ってヤルタへ。その重い歴史をかみしめつつリゾートを楽しむ。

まずは国境の町エステルゴムから。ここの大聖堂は、ハンガリー王国最初の王イシュトヴァーンが戴冠した場所だ。そしてヴィシェグラードでは中世のお祭りが行われ、見せ場の1つはハンガリー流やぶさめだ。ラヨス・キャサイによる見事な技が披露される。
いよいよハンガリーの首都ブダペストへ。マイケルは歴史ある老舗温泉、ホテル・ゲッレールトに滞在。年代物の人工波発生装置があるプールを堪能する。その後は川岸に堂々とたたずむ国会議事堂へ。ここでのガイドはナチス時代、そしてソ連体制時代を生き抜き、共産主義崩壊後ハンガリーの初代駐米大使を務めたペーテル・ズヴァック。彼の話に刺激を受けたマイケルは、アンドラーシ通りにある"恐怖の館"へ。1956年のハンガリー動乱とその扇動者たちがたどった悲惨な運命について、詳しく知ることになる。夕方、ファッションデザイナー、カティ・ゾーブのサロンを訪ねる。ファッションショーのモデルを頼まれた彼は、彼女と衣装の相談。夜は地元のレストランへ。ひばりの泣き声を真似たバイオリン演奏などを楽しむ。
翌日、ハンガリーで人気の食後酒"ウニクム"の試飲へ。酒蔵の主は国会議事堂を案内してくれたペーテルだ。そしていよいよカティのサマーコレクションの日。モデルとしての大役を無事に果たす。
マイケルはウクライナ方面へ向かうティサ・エクスプレスに乗り、途中のマードで下車。この周辺は"ワインの王様、そして王様のワイン"と称される超高級ワイン、トカイワインの産地。その後、ホルトバージに立ち寄る。フン族のアッティラ大王が暴れ回っていたハンガリー大平原にある町で、この辺りは国立公園となっている。
再びティサ・エクスプレスに乗車。ウクライナ国境の町チョップでは、文字通り高まる経験をする。ここでは、ヨーロッパと規格が違うロシアのゲージに合わせて客車を持ち上げ、台車部分を交換するのだ。カルパティア山脈をゆっくりと抜け、リヴィヴ、そして首都キエフへ。1991年に『ポール・トゥー・ポール 北極から南極へ』の撮影で来たことがあったマイケルは、当時、ソ連支配下にあったこの町で「変化の兆しが感じられる」と話してくれたヴァディム・カステリと15年ぶりに再会。オレンジ革命後、混迷しているウクライナ政治。しかしヴァディムは楽天的で、新たな民主主義へ移行するためのプロセスに過ぎないのだと語る。
現在ウクライナで注目を集めているのは、首相の娘ユウジェニアの結婚だ。イギリスのパブリックスクール、ラグビー校で教育を受けた彼女の相手は、イギリス、リーズ出身の投機家でヘビーメタルロックグループ"デス・ヴァリー・スクリーマー"のリーダー、ショーン・カー。彼らに招待を受け、マイケルは、ショーンのハーレイで別荘へ向かう。
2人と別れた彼の行き先は、シンフェローポリ。そこから世界最長の82キロを走る52番トロリーバスでヤルタへと移動。有名な黒海のリゾート地に着いたマイケルは、ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世の別荘であったリヴァーディア宮殿を訪れる。ここは、スターリンとルーズベルト、そしてチャーチルが、ヤルタ会談を行った場所。このシリーズに登場した国々の運命が決められた舞台でもある。しかし、暗い気分に浸るのもここまで。マイケルはヤルタが、イギリス・マーゲートの姉妹都市であり、人々が休日を楽しむ場所であることに気づく。そして、バカンス気分を味わうことに。