BBC地球伝説

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ストーリー

野生に帰せ!
ホオアカトキの赤ちゃんに密着

現在、地球上で絶滅の危機にひんしている野生動物たち。彼らが生き残るために残された方法は、未来へのかけ橋となる"奇跡の赤ちゃん"を誕生させ、野生に帰すことだろう。動物学者のマーティン・ヒューズ=ゲームズが、世界各地で消えようとしている絶滅危惧種の生態に迫りながら、その保護活動に尽力する人々を追いかける全5回シリーズ。
最終回は、人工飼育された野生動物たちを野生に返す、さまざまな計画に迫る。親代わりのパイロットが乗ったパラグライダーを追いかけるように訓練された11羽のホオアカトキの子どもが、アルプス山脈を越える壮大な"渡り"の模様に密着。さらに、アメリカでは絶滅の危機から脱したクロアシイタチの繁殖プロジェクトを追いかける。オーストラリアでは、長い耳が特徴的な動物・ビルビーの保護に立ち上がった学者たちの活動を伝える。

ヨーロッパの上空から姿を消した絶滅寸前の鳥・ホオアカトキ。彼らを再びヨーロッパの空で羽ばたかせようというプロジェクトが、ドイツで始まった。ホオアカトキをヨーロッパで野生に返すためには、ドイツからイタリア・トスカーナ地方まで、約1400Kmを移動する"渡り"を教えなければならない。そこで考案されたのが、トキを育てた人間が動力付きのパラグライダーで先導しながら、トキたちに長距離を飛行させる方法。彼らはパラグライダーに導かれて、アルプス山脈越えに挑んだ。
アメリカでは、政府による国家プロジェクトとして、クロアシイタチを野生へ返す試みが行われている。クロアシイタチは餌となるプレーリードッグが農地開拓などの影響で激減したことから、完全に絶滅したと考えられていたが、1981年、最後の生き残りと思われる18頭の群れが見つかり、政府管理下もと、保護繁殖が計画されたのだ。現在では8つの州で、毎年たくさんのクロアシイタチが自然に返されている。
また、オーストラリアでは、ウサギによく似た長い耳を持つ、小型有袋類のビルビーの保護に取り組む生物学者たちの活動に迫った。彼らは個人で資金集めや寄付の呼びかけを行い、ついにはビルビーのための保護地区を作ってしまった。
次々と実現しつつある、人工飼育された動物たちの再野生化。その独り立ちまでの感動のドラマを追いかけながら、動物保護に携わる人々のたゆまぬ努力や、不可能を可能にする深い情熱を描く。
さまざまな地域に生きている野生動物たちの生態を紹介しながら、そこに関わる人々の献身的な保護活動を伝える。