BBC地球伝説

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ストーリー

野生に帰せ!
パンダの赤ちゃんに密着

現在、地球上で絶滅の危機にひんしている野生動物たち。彼らが生き残るために残された方法は、未来へのかけ橋となる"奇跡の赤ちゃん"を誕生させ、野生に帰すことだろう。動物学者のマーティン・ヒューズ=ゲームズが、世界各地で消えようとしている絶滅危惧種の生態に迫りながら、その保護活動に尽力する人々を追いかける全5回シリーズ。
第1回は、繁殖の最前線に携わる飼育員たちの姿を追う。中国・四川省のジャイアントパンダ保護研究施設では、パンダと飼育員との信頼関係があってこそ成り立つ独自の繁殖方法が。また、アメリカ・アトランタでは、赤ちゃんパンダの誕生から子育ての様子をカメラがとらえる。そして、イギリス海峡・チャネル諸島の動物園では、ブラジルで絶滅の危機にひんしているサルのフタイロタマリンを保護するため、飼育員が母親がわりとなって奮闘。ロンドンの動物園からは、50時間にも及ぶサイの出産に立ち会う飼育員たちの勇姿を伝える。

中国・四川省は、世界で最もジャイアントパンダの繁殖に力を注いでいる地域。省都・成都にあるジャイアントパンダの保護研究施設では、パンダの野生保護区を管理するだけでなく、独自の方法で繁殖が行われている。野生のパンダが双子を出産した場合、片方を見捨て、もう片方だけを育てることが多い。しかし、この施設では飼育員が赤ちゃんを取り上げ、世話をしながら、赤ちゃん同士を交代させて母親の元に置く。飼育員とパンダの間に深い信頼関係があってこそ実現できる、ユニークな繁殖方法だ。また、アメリカ・アトランタの動物園では、徹底した管理でパンダの妊娠から出産を手助けするスタッフの姿を追った。
南米・ブラジルでは、森林伐採と都市化が進み、高い知能を持つ小型のサル、フタイロタマリンが絶滅の危機に追い込まれている。この状況を救うため、フタイロタマリンの保護活動を続けている動物園がイギリス海峡のジャージー島にある。そこでは母親から育児放棄されてしまった双子のフタイロタマリンを無事に成長させようと、飼育員たちが日々格闘している。さらに彼らは、その双子の赤ちゃんを里親に育てさせようとしている。
ロンドンの動物園では、16カ月という長い妊娠期間が間もなく終わるインドサイに密着。赤ちゃんの体重は約60kg、分娩時間は24時間以上にも及ぶため、飼育員たちも気が抜けない。彼らは、50時間もかけてサイの出産に立会い、赤ちゃんとの待望の対面を果たすのだった。
絶滅危惧種の未来を担う"奇跡の赤ちゃん"の誕生と成長を追いかけながら、それを保護する飼育員の挑戦に迫る。