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ストーリー

環太平洋火山の旅~大地の歴史をさぐる~
1 インドネシア

地質学者イアン・スチュアートが、火山や地震の多い環太平洋地域を旅して、大地がどのように人間の歴史・文化を方向づけてきたか、さまざまな謎を解き明かしていくシリーズ。インドネシア、カリフォルニア、ペルーの3つの地を訪れ、それぞれ、大地と人間との驚くべき関係を探る。
それぞれ火山や地震など厳しい自然条件の中で生きる人々の姿をとらえ、そうした地勢が人間の歴史、生活、宗教、文化にどのような影響を与えてきたかをイアン・スチュアートが旅をしながら、現地の人々に取材して、解き明かしていく。活火山とともに生きる国・インドネシアで、7万年前に起きた、人類の4分の3を消滅させた大噴火とは…?

イアンは、世界で最も活火山の多い国インドネシアを訪問する。インドネシアの、世界で最も恐ろしい火山。1回の巨大噴火が、全人類の4分の3を消滅させてしまった可能性がある。また別の大噴火は、ヨーロッパとアメリカで凶作を引き起こし、自転車の発明から芸術、宗教そして文学に至るまで影響を与えた。インドネシアだけでなく、世界全体の歴史に非常に大きな影響を与えてきたのだ。
イアンは、ジャワ島のメラピ火山に登り、溶岩ドームや火山ガスをつぶさに観察、現地の噴火予知システムを見学する。当初の撮影後、この火山は激しい噴火を起こしたため、取材班は現地に戻り、最新の独占映像を撮影できた。また、その周囲の"ジャワの庭"と呼ばれる肥沃な土壌とコロンブスのアメリカ大陸発見との意外な因果関係を解き明かす。7万4千年前にスマトラ島のトバ火山が大噴火したとき、"火山の冬"が起きて人類の75%が消滅し、およそ1万人しか残らなかった。このトバ湖が再び大噴火を起こす可能性があるとイアンは語る。
しかし火山がもたらすのは、死だけでない。生命ももたらす。インドネシアの火山性土壌は、ナツメグに最適で、中世にはここでしか見つからなかった。スパイス諸島への独自ルート探索の競争が、アメリカ大陸の発見と最初の世界一周につながった。インドネシアの火山は、種の進化にも決定的な役割を果たし、この地域の宗教や政治、文化の土台となっている。イアン・スチュアートは、さまざまな火山の謎を解き明かしながら、旅を続けていく。