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ストーリー

神話と伝説をめぐる旅
1 シバの女王~永遠の女性~

シバの女王とは誰なのだろうか? 彼女の物語は、イスラム教の経典コーランにも旧約聖書にも登場する。彼女の美しさ、富、知性は伝説に語り継がれ、エチオピアでは今日でも崇敬の対象だ。  彼女はいかにしてソロモン王や"契約の箱"と関わりを持ったのだろうか? また彼女は本当にエチオピア国家の創始者なのだろうか…?

シバの女王がエルサレムを訪ね、ソロモン王と会見した(そして寝た)逸話は、旧約聖書やコーランに記され、多くのキリスト教の伝統にその名残を残している。その物語は3000年近くに渡って繰り返し語られ、ハリウッド映画にもなった。
 マイケル・ウッズはイースターの夜のエルサレムから旅を始め、紅海、エジプト、エリトリア、エチオピア、そして今はなきアクスム(ほとんど知る者のないブラックアフリカで最初の文明)へ訪れる。イエメンでは、アラビアの初期の文明、マリブの遺構を探訪する。
 マイケルはまた、シバの女王の伝説がアラビアやエチオピアではいまも生きていることを発見する。彼女は建国の母と見なされており、その息子が、失われた"契約の箱"をアクスムにもたらしたと考えられているのである。しかもそれは今でも存在すると!
「ハリウッドはシバの女王をソロモンの愛人にしてしまった」と、マイケルは言う。「しかも白人にね。アフリカでは、彼女は黒人で女性権力者だ。そしてアラビアでは、彼女は半分女性、半分悪魔という存在だ。彼女はエキゾチックで謎めいた異人から永遠の女性へ、またファンタジーの世界の母親兼愛人から蹄を持った悪魔へと変貌したと言われている。これは歴史上の多くの女性権力者に共通する寓話なんだ」と。