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ストーリー

「神の肖像」キリスト教美術2000年の旅
第三章:十字架

ロンドンの美術館ナショナルギャラリーの館長ニール・マクレガーが、西ヨーロッパのキリスト教美術を各地に訪ねるシリーズの第3夜は、十字架の変遷をたどる。
キリストの受難、すなわち十字架の上のキリストの死は、西洋美術における大きなテーマである。私たち現代人は十字架イコール悲劇のイメージと捉えがちだ。しかし十字架像の持つ意味は時代ごとに変化し、地域によってもそれぞれに異なった顔を持つ。番組前半では、キリスト教がローマ帝国の国教となってから現在までの十字架像の変遷をたどり、世界各地のユニークな十字架像を訪ねる。キリスト教がローマ帝国の国教になった頃は、十字架像は死をも超えたキリストの勝利を高らかに歌い上げていた。しかし、やがて苦悩するキリスト像が主流となり、時代が下るとともに、人間を責めるキリスト、人間と苦しみを分かち合うキリストなど、様々な解釈に基づいた十字架像が現れる。ニールは、手足を動かせるセビリアのキリスト像や、地震の神として崇拝されるペルーのキリスト像など、各地のユニークな十字架像を訪ね歩く。
後半は芸術家個人の十字架像の移り変わりにスポットをあて、レンブラントの銅版画、ミケランジェロの彫像が、年齢とともにどう変化していったかを追う。ミケランジェロの「ピエタ」から「ロンダニーニのピエタ」へと至る魂の軌跡は圧巻である。