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ストーリー

古代の黙示録:ソドムとゴモラ

旧約聖書の「創世記」に記されたソドムとゴモラという2つの町の住民たちは、神の逆鱗に触れ、ある日突然、町ごとすべて消えうせてしまった。この物語の舞台である死海に、地質学者のグレアム・ハリス、考古学者のジョナサン・タブ、そしてハル大学教授のリン・フロスティックの3人が集結した。3人はあらゆる調査と研究を重ね、「聖書に記された"ソドムとゴモラの滅亡"は、死海周辺に起こった大地震とそれに続いた地すべりを元に作られた話である」というグレアムの仮説を、証明しようと試みる。聖書に描かれた神の怒りが、実際の大惨事をモデルにして描かれたものなのかどうかを解明する。

旧約聖書の「創世記」に記されたソドムとゴモラの2つの町。そこに住む民たちは、モラルを逸脱する行為を繰り返し、やがて神の逆鱗に触れることになる。ある日突然、天から人と硫黄がふりそそぎ、町も人もすべて消えうせていったという。
この壮大かつ悲劇的な物語の舞台である死海に、地質学者のグレアム・ハリス、考古学者のジョナサン・タブ、そしてハル大学教授のリン・フロスティックの3人が集まった。3人はあらゆる調査と研究を重ね、「聖書に記された"ソドムとゴモラの滅亡"は、死海周辺に起こった大地震とそれに続いた地すべりによる災害を元に作られた話である」というグレアムの仮説を証明しようと試みる。もともと聖書に出てくる物語は、歴史上実際に起こったことをヒントにして書かれたものだという説がある。たとえばノアの箱舟は、黒海の氾濫による大洪水をもとにした話だとも言われている。では、ソドムとゴモラの町はどうだったのだろう。聖書の中でソドムとゴモラが実在した時代、本当に町を消滅させるほどの大地震が起きたのか? そして2つの町があった土地は、地震によって地すべりを起こしやすい不安定な地質だったのか? 地球科学者や有機化学者の協力のもと、調査が始まる。調査を進めるうちに、死海周辺の地層に大地震の爪あとが残っていたことや、ソドムとゴモラがあったとされる地域は地質学的に、液状化現象を起こしやすいことが明らかになる。
古代に封印された謎の解明。このプロジェクトの最後を締めくくる実験は、ケンブリッジ大学の研究所にある遠心分離機を使って行われた。地震が起きた当時のものを再現して作られた地層、そして綿密に計算された当時の建物の模型を作り、遠心分離機と地震シミュレーターを使って、4000年前に町を襲ったと言われる大地震を再現。聖書のほんのわずかな範囲に描かれた神の怒りが、実際に起きた大惨事をモデルにして描かれたものなのかどうかを解明する。